ロジャー・ムーア

高校中退後、アニメーション制作見習いとして映画会社に就職。1944年、友人の勧めで映画「シーザーとクレオパトラ」にエキストラ出演した際、長身と精悍なルックスが共同監督の目に留まり、俳優としてのキャリアをスタートさせる。第2次世界大戦末期に徴兵され英陸軍に所属。退役後、53年に渡米する。クレジットなしで数作品に出演後、TVドラマ「マーベリック」（57）などに出演。62年から69年まで放送された英ドラマ「セイント　天国野郎」に主演し、国際的な注目を集める。「007」シリーズ第8作「死ぬのは奴らだ」（73）でショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビーを継ぐ3代目ジェームズ・ボンド役に抜てきされ、それまでのイメージとは一線を画す、エレガントでユーモラスなボンド像を確立。57歳で演じた第14作「美しき獲物たち」（85）まで7作品に出演し、世界を魅了した。そのほかの映画出演作に「キャノンボール」（81）、「クエスト」（96）など。ユニセフ親善大使としても活動し、03年にエリザベス女王によりナイトに叙任された。また、07年にはハリウッドの殿堂入りを果たした。17年、89歳でがんにより死去。