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インセプション評論(20)
夢の中のルールも複雑で、下手すると虚無の世界に…
中2的設定をあのクリストファーノーラン監督が本気でやってのけた。
観終わって実は私たちもインセプションされたのではと思わせられた。
・設定を整理してもう一度見たい
・ラストシーンの解釈
初見の感想
・設定が作り込まれててザSFという感じ
・設定家の描写が丁寧
・夢であることの証明がトーテムという形で定量的にされるのが納得感がある
・本物と偽物のどちらがを選択するべきか?というテーマ(夢vs現実)
・社会の中で個人はいかに振る舞うべきか?というテーマ(親の模倣vs自分らしさ)
・潜在的意識への作用、言葉の植え付け=インセプションが思わぬ結末を導き出す。精神面におけるバタフライエフェクト
・トラブルはつきもの
・結果よければ全てよし
・本人が主観的に幸せなら、主体の潜在意識への作用が偽物でもいいやん
(➕キリアン・マーフィーというのも意外とあります)
今の季節だと、
・冷奴➕鰹節➕ネギ(玉ネギでも長ネギでも)➕胡麻油➕醤油➕キンキンに冷えたビール
・豚バラ肉➕キムチ➕キンキンに冷えたビール
食生活が貧しいので、これくらいしか思い浮かばないのですが、食べ合わせの良さで言えば、こんな感じでした。
ノーラン監督、やはり最高です。
(TENETの長いコマーシャルも3度目。それより作品を早く観たいものだ)
「どんなに優れた大泥棒でも、人の心やアイディアまで盗むことはできない」とよく言ったものだが、彼らが「不法侵入」するのはターゲットの夢の中。
上映時間約2時間半の間、自身の集中力とイマジネーションが試される。
「なんでこんな作品を作ろうと思えたんだ!」と観賞中に何度ため息をついたことか。幾重にも重なる仕掛けと迷路を「設計」した監督の才能と貢献に敬意。
「…ところで、私(荘周)が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。…」
荘周の有名な詩である、「胡蝶の夢」を映画化したかのよう。
ちなみに荘周の詩は一階層だが、本作ではさらに4つものlayerを準備して複雑化させていく。時間の感覚も階層ごとに20倍長くなるのがとてもユニーク。
本作は夢と現実の境界の往来をテーマにしているが、今ならvirtualかreal(material)かという二項対立なのかもしれないが、その境界線はどんどん曖昧になり、いずれ区別がつかなくなる時が来るかもと考えると、目の前に迫るリアリティのあるSFミステリーだ。
最後のシーンのコマは止まったのか…
しかしCobbにとって、それはどうでもいいことなのかも。