樋口真嗣監督ら5人の監督が、2020年に全世界を襲った新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「怪獣の人形に願いを込めてコロナウイルスを倒そう」という趣旨で立ち上げ、見えない大怪獣コロナと自分の怪獣との戦いを自宅で撮影し、次の仲間にリレー形式でパスしていくという企画「カプセル怪獣計画」。その番外編として全編ほぼリモートで撮影された岩井俊二監督、斎藤工主演の「8日で死んだ怪獣の12日の物語」を、追加キャストにのんを加えた劇場版として劇場公開。カプセル怪獣を通販サイトで買ったサトウタクミは、日に日に成長していく怪獣の様子を毎日配信していた。怪獣に詳しい樋口監督にノウハウを聞きながら育てたカプセル怪獣はコロナと戦ってくれるという怪獣だというが……。岩井作品初出演となる斎藤、武井壮、のん、穂志もえかに加え、原案の樋口監督も出演。音楽をウルトラシリーズなどを手がけた蒔田尚昊(冬木透)が担当。
8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版評論(13)
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ひたすらZOOMで織り成される会話劇は、めちゃくちゃ緩くて、どう見てもショートコントをやってるようにしか見えない。
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でもそのZOOMの様子って自粛中自分たちもくだらない会話をこうやってオンラインでやってたし、そこにカプセル怪獣なるものがいるだけでリアルさは意外とある。
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で、恐らく自宅で撮影してるからよりリアル。斎藤工のZOOM通話の感じをずっと見てるの意外と幸せだぞ、ヒゲをずっと触ってるのとかなんか良いぞ!.
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ちなみにカプセル怪獣、毎回ウルトラマンのキャラで例えられるからウルトラマンの映画かってぐらい。ウルトラマン全く知らないと割と?になる。
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というかウルトラマンの例えの後鬼舞辻無惨って出てきてそっちであぁってなったから単純に世代の違いなのかもしれん。
なによ、カプセル怪獣って?ってとこから始まる物語が、ああ、今言ってるそのことはアレのメタファなのかって脳内変換しながら見ていくのだが、この、ちょっと陳腐そうな映像から醸しだされる”冷静さ”が妙にリアリティがある。そしてカプセル怪獣に希望を持たせながら、実は弱い、敵に勝ったことがない、ただの時間稼ぎ、と身も蓋もない断を下す。たしかにウルトラセブンに出てくるミクラスもウインダムもそうだった。でもそこには単なる批判や諦めがあるのではなく、前向きな希望的な感情に満たされている。その空気感が絶妙に上手い。
そして最後、日々変化をもたらしていたカプセル怪獣が、そこに行きつくのか。なんだそれか、と思うか、はっとさせられるかは人それぞれなのだろうが、エンドロールに流れる小泉今日子の歌声を聴きながら、僕が安らぎを覚えたのは確かだ。
岩井ファンとしてはのんが出る時点で見逃せない!❗今度ちゃんとのん主演映画希望❗
軽い気持ちでみて、ほのぼのと、にやけてください。
映画をみて、つまらない、金返せと叫ぶような方は、YouTubeのダイジェストをエアコンの効いた部屋でアイスコーヒーでも飲みながら観た方が賢明だと思います。