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K-19評論(12)
で、がんばって見た結果、普通だな、と。命を犠牲に任務を遂行する、その姿を描くわけだが、ふつうだ。
ハリソン君は、感情を飲み込む(飲み込み過ぎる)演技をするので、ここぞというポイントがない。リアルだがのっぺりとした印象になる。これ、この映画においてはマイナスです。
トータル、ぱっとせず。
心臓にまで届く艦長の重く熱い言葉。シンドラーのリストの、最後に語った言葉の様に熱く胸に響く。
英雄とは何かを成し得た者ではなく、自己を犠牲に他者を救う者だと気付かされる。
乗組員の使命と祖国心を対比させ、見事に密室の極限を描いている。
リーアム・ニーソンとハリソン・フォード。これ以上にないハマり役のキャスティングだ。
スピルバーグが作り出す様な、重厚な世界観とテーマを、キャスリン・ビグローはこの初期の若さで持ち合わしていた事への驚き。とんでもない監督だ。
ソビエト連邦の軍人が英語でしゃべっていて、違和感満載の状態からスタート。
アメリカ映画だから仕方ないんだけど。
ハリソン・フォード演じる館長のキャラにも違和感満載。
そして、その艦長のキャラが最後に変わっていくのも、なんだかなあ。
「えー、いい人になっちゃうの?」という感じ。
なにを優先させるのか?任務か人かで迷う艦長の思いが辛いほど感じる。
自己中心で動いていないのが伝わるからこそ、人は人のために動けると思う。
苦悩する人を演じるのはやっぱりハリソンフォードに似合ってる。
潜水艦映画だけど、一番の見所は、原子炉に入っていくところだったりして。。。これがね、とにかく怖過ぎるんですよ。
当時は原子力の人体への被害についてあまり知られていなかったから、あんなにホイホイ入って行けたのだろうか?放射能の怖さがよく知られている現在、100%死ぬということがわかっている上で、果たして何人の人が命を投げ出して職務を遂行できるだろうか?もし自分があの場にいたとしたら、潔く死を受け入れられるだろうか?観ながらそんなことばかり考えてしまった。
事故だろうと戦争だろうと関係ない。彼らは英雄だ。
わかっていると思うが、ロシア人、めっちゃ英語話してるやーん、という下らないツッコミはしないように!