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K-19評論(12)
ただ、恐怖心は十分伝わりましたが、ストーリーとしては特別面白いものはありませんでした。
まぁそれも実話に沿っていて、脚色が少ないからなのかな?
それならそれで良いんですが、ハリソンフォードの顔はどこから見てもアメリカ人過ぎて、ロシア潜水艦の艦長と言うには、ちょっと無理がありますよね。
きっと冷戦時のロシアには、もっともっと怖い話がありそうで、それを想像するだけで更に怖い。(笑)
軍隊って、難しい。勤務、法務、労務、命令。
訓練だというのに息詰まる緊迫感とド迫力。特に300mの水深から急浮上する際の細かな描写はこれまでの潜水艦映画にないものだった。厨房もあったし、壁の補修など、実際にあるような裏方の描き方もリアリティを増した。
後半は、核爆発の恐怖と放射能汚染の不気味さ。被爆者が何人も出てくるのに、他の乗員はやばくないのかと心配になった。実話だから最期にわかるが、数年で20人の死亡。
アメリカ軍が救助の申し出をし、受け入れることを拒否するハリソン・フォード。ワンマン過ぎて副艦長のニーソンとずっと対立してきたが、国益のためと兵士の命までも軽視する。しかし、彼の真意は・・・という展開。
反核のメッセージもあり、骨太の作品にはなっているが、アメリカ軍が都合よく描かれすぎでマイナス。女流監督だからだろうか、窒息しそうな閉塞感が全くなかった。
1961年冷戦時、米国へ対抗すべく、準備不足が否めない中、原子力潜水艦を進水させたソビエト海軍。
無茶なドリルで無線機は故障、放射能漏れが発覚し、爆発すれば近くの米駆逐艦も巻き添えになって、米ソ対戦の引き金になりうる…。とは言え、進んで米国の救助を要請すれば、反逆罪で収容所行き…。
乗組員達は初々しさが残る青年が多く、原子炉修理のため犠牲になった彼らの姿には涙が出ました。
部下からも信頼され、温厚なCaptain Poleninと、彼の上官として新たに任命された厳格な野心家Captain Vostrikovとの対立は、”Crimson Tide”の状況に似ています。ドリルマニアVostrikovの命令にことごとく口を挟んでいたのに、急にPoleninが彼の味方になる所には違和感が残りました。艦内クーデターは良くないってことなのかな。
潜水艦内の緊迫感は”Das Boot”の方が上かも知れませんが、「眠れる移動式核弾頭」内での伏せられてきた悲劇に心が痛みます。
ちなみにソビエトなのに、終始ばっちり英語です。