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イルマーレ評論(20)
過去に手紙が届いたり、
会えるかわからない相手をそこまで愛したり、
現実には起こらないからこそ素敵な映画だと思います。
だから、夢を見ているような気分で観てほしい!
ストーリーはなんとなく想像できてしまうけれど、
二人の手紙のやりとり、言葉ひとつひとつに
切なさや愛情を感じて心が温かくなる。
結局事故に遭ってしまうのかと思いきや、
最後はハッピーエンドでほっとしました。
一人で勝手に「サンドラ・ブロック強化月間」の第六回は「イルマーレ」です。ちょっぴり過去と現代を不思議なポストが繋ぐラブストーリー。「タイムパラドックスがぁ!」とか深く考えてはいけません。純粋に楽しむのが吉です。
片や会いたいけど会えない。片や会ってるけど気付いてもらえない。こういうもどかしさってラブストーリーの醍醐味ですよね。最後はケイトが生きてる時間軸だとアレックスはもう死んでるはずなので、よくよく考えたらありえないんですけど、ちゃんとハッピーエンドで良かったです。
12年ぶりと言われるサンドラ・ブロックとキアヌ・リーブスの共演がなんともお似合いです。この二人が並んでる構図がまたいいんですよね~。LINEぐらいの勢いでテンポ良く手紙を交換してるのが観てて楽しかったです。脇をしめるクリストファー・プラマーも渋くていいカンジでした。
ガツガツしないしドロドロしない大人の恋愛っぷりに何だか和みました。良作。
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 75
設定は独特だが物語はどちらかというと平凡。時間的な差異があるし過去は今から変えられないので、そもそも本来は理論的には成立しない話である。
しかし湖畔の淵にたたずむ静かな家と、静かに二人が気持ちをわかちあい愛を募らせていく過程が楽しめた。物語の不合理性よりも、雰囲気と二人の気持ちの動きの良さがうまく全面に出た作品だった。
異常な状況下で結ばれた男女はやはり長続きしていなかったことがわかる『スピード2』。そのキアヌとサンドラが12年越しに結ばれるのか?病んでポンッ!とコケないことを祈るばかり・・・
もちろん韓国版『イルマーレ』がオリジナル作品。実は韓国版での主人公であったチョン・ジヒョンと元カレが一緒に写っていた写真が『猟奇的な彼女』のテヒョン君だったような気がしてしょうがなかったのですが、未だに確認できていません。もしそれがテヒョン君だとしたらリアルタイムパラドクスとしてとても面白い映画だったのですが、マニアックな楽しみ方をするのならハリウッド版の今作においても、『スピード2』のジェイソン・パトリックを登場させると面白かったに違いありません。何しろ役名がアレックスと、同じなのだから・・・
キアヌ・リーヴスは『マトリックス』ではコンピュータの異次元世界を経験したり、『ビルとテッド』シリーズでもタイムトリップを楽しんでいます。だから、タイムパラドクスを慎重に扱わねばならないと心得ているのか知りませんけど、誕生パーティで名乗ることをためらったところがいい表情でした。一方、サンドラ・ブロックといえば男を助ける役柄が多いのか、ここでも偶然を利用してポストに祈り続けます。もし失敗したら・・・そうなったらそうなったでしょうがないといった表情が冴えています・・・
脚本において、細かな会話のやりとりをチャット風にしたり、バーで流したキャロル・キングの名曲「It's too late」をサンドラ・ブロックの台詞に用いたり、ドストエフスキーやクラーク・ゲーブルの名前を父親像に盛り込んだり、小ネタとしては上手い使い方をしているものだと感心させられました。また、伏線として「説得」という小説でのテーマwaitingがいい具合に使われていて、脚本の上手さを堪能できたのですが、肝心なタイムパラドクスに関してはかなり無茶苦茶。木を植えたり、実はキスしたことがあったり、ニアミスどころじゃない大味な設定となっていたのが残念です。
たまたま『もしも昨日が選べたら』、『時をかける少女』と今作を立て続けに鑑賞したことになるのですが、時間を扱った映画はほんとに面白いものです。タイムスリップものなどの時間を扱った映画には必ず小物やある人物たちが全てを掌握しているような気がするのですが、この作品においては犬とポスト。前述したアレックスという名前の因果関係も面白いのですが、『スピード』におけるキアヌ・リーヴスの役名ジャックと犬の名前がジャックだという符合もシャレのつもりだったのかもしれません。犬が全てを知ってるはずです・・・