82年生まれ、キム・ジヨン

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Don't you have amnesia after giving birth?
- Me? This should be fine. I always think about the past, I feel empty
when the sun goes down. But this is not always the case.
Otherwise, you can go to psychiatry.
- Why do you think I'm neurotic?
Hey, who said it was mentally ill recently?
映画とは全く関係のない余談。始めっからかい～ッと思われても... 道を歩いていると通りすがりの乳母車を押す若い婦人、コンビニや買い物の列に並んでいる時にも.. 赤ちゃんが泣いているなんてことも、何故そのままにしているのか？.. と他人のことなのに疑問に思ったりもする。この映画と接したことでその無責任なおせっかいな疑問の一つの回答を得ることができる。付け加えるならまた180度考えが改められる心やしくなれる映画として... また苦しい時は、涙を流してもいいんだよ.. と自分をいたわることを教えてくれる映画

ところで知る人ぞ知るエキサイティング映画の元祖「新感染　ファイナル・エクスプレス」で共演していた二人が今度は、全く違う夫婦役なんて想像もしていなかった！ 何を差し置いても自然と見てしまうのが人のサガ...

Misuk. Don't do that. Thin face,whenever you get your salary back
on time, Mom's heart is like cut by a knife. You were too good. You
got your hands back like that with a sewing machine. Don't mention
how heartbroken I am. I couldn't hug you well, I couldn't say a word
of thanks, Misuk. Sorry, Ji Young, even if she works hard, you made
her strong.
- How could Ji Young become like this? Oh, Ji Young...
理解があり家事にも協力的に手伝う優しい夫でも、彼女の悩みをどうしたら理解が出来るか分からない彼。それでも彼女は、夜は眠れない日々が続き、実家に帰った時だけ安らぎ、その反対に義理の親の家では神経が研ぎ澄まされるほど気を使う... 度々思い出す広告代理店での充実していた日々をフラッシュバックによるアトランダムな非線形的なタイムラインの特徴的な時間を行き来するシナリオに現れ、充実していた自分の過去に囚われている。そしてマンションのベランダでただボ～ッと夕日を眺めている日々が泥沼のように続く...
ある日、心配した母親が彼女を元気付けようと訪ねた時、彼女は実の母親に向かって他人のように話し、暗につらかった時のことを無表情で話す。そして何よりも自分のことを固有名詞で呼び、三人称でも例えている。

- Really a mother worm. Mom Worm is Mom Worm.
Do you know me? I ask you why I am a worm. Come here for some
coffee, you meet me for only about ten minutes. Just know how
much you know about me? I have only seen you once, would you
like me to evaluate you too? Tell me what kind of person you are.
Since you said it yourself. Please don't let me hear.
Why spend energy to hurt others?
コーヒーショップでの俗物たちとの出来事の後に元の上司に誘われていた仕事を精神科に通っていることを正直に言うことのできる勇気を得られたのか、過去との決別をすることで何歩も前に進むことが出来たのか、母親として強く生きることが出来るようになったのか、最後の場面で彼女はベランダで夕日を眺めている姿が彼女の今後を占うことが出来るものとなり幕がおりる。
とにかくこの世は、 女の"癖に"とか、酒も飲めない"癖に"とか、太っている"癖に"とか.... 癖に！ くせに！ クセニ！ が多すぎる。　少し過激でした　　失礼

この映画を観ていて、歩く優しさのような夫役のコン・ユさんがジヨンを見ているだけでどうしようもないところが、彼の大柄な体格が余計に焦燥感を増し、主人公のジヨンを演じたチョン・ユミさんの美人だけにその疲れっぷりは半端なく哀しい... 忘れてはいけないのが、主人公のジヨンの母親役のバイプレーヤー、キム・ミギョンという女優さん... 彼女の演技が素晴らしく、ジヨンだけでなく映画そのものの精神的支えと言っても良いぐらい人情物には欠かせない人。

BBCニュースの記事を読むとイギリス人と多少感性が違うように感じる部分がある。”美の基準に挑戦する韓国の女性”とか”#MeTooが韓国で定着”とか韓国で最もアップデートで話題を呼んでいるフェミニスト小説の1つとして称賛されたベストセラーの内容が、仕事と家族を両立させている普通の30代の韓国人女性の物語と、彼女が彼女の人生の各段階で直面している性差別について語っているところを取り上げているのが、確かにその部分もあるけど個人的には何故か仰々しく感じられてしまう。この映画のシナリオの進行具合が平坦で起伏がなく、イベントらしいイベントもなく進んでいることに対して、つまらないと揶揄される方もいる反面、その事が反って見るものに社会における性差別について、考える余裕と時間と安心感を与えていると思える。その事をためらう事もなく感じることの出来る映画に製作者は仕上げている印象... 付け加えるとするなら、何でもない穏やかで平穏と誰もが一見思える時でも、ちょっとした取るに足らない闇の積み重ねや、他人ではなくて自分自身が引き起こす自分自身に対しての感情の行き違いで人は自分を追い詰めてしまうこともある。いわゆる表の自分では、決して裏の自分の内面を理解できない不安という穏やか過ぎる"情動"が心に芽生え始める。その微妙で繊細な感情の起伏を映画監督はあくまでも平穏な暮らしの中に描いているところに意味が存在する。

それもこれも監督自身が、今まで”運がよかった”と日頃、口癖のように語っているように40代半ばにして映画学校に入り、今回が初めての長編映画に挑戦しているキム・ドヨン監督。平凡な言葉が、受けとめる側としては、とがった針のように心に、ある時は、グイグイと、またある時は、チクチクと容赦をしないように心を痛めつけてくる様を見事に描き切っている。彼女の映画には、小細工とか嘘とかという言葉は存在しない。

♪ wavingly wavingly という曲がエンドロール・クレジットで流れます。あたかもジヨンの心を表すような心の中に優しく吹く風のように素敵なメロディーの曲... 安心した