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映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦評論(20)
面白いし感動するしもう凄すぎ!
オトナ帝国よりはそんなだけど普通に良かった。
オトナ帝国と戦国大合戦を超える作品はもうでないだろう。
ちょっとやりすぎじゃね?ってくらい、物語が大人向け。
子供そっちのけで製作者が暴走しちゃったが故の名作。
これは紛れもなく大人が作った、大人による、大人のためのアニメ。
どうしてこうなった笑
と突っ込んでみる。
この映画が公開された当時、クレヨンしんちゃんは、みんなが知ってるけど、国民的アニメのギリギリ外にいた。
みんな知ってるけど、バカなアニメ、あんまり子供に見せたくないアニメとして、不動の地位を得ており、製作者サイドは改心することもなく、何でもやりたい放題。
おまけに、クレヨンしんちゃんの素晴らしいところは、大人向けの笑いネタが入り込む余地があったところにある。元々原作が連載されていたのが、アクションだから、大人向けのネタが多くて当然か。
とにかく隙だらけのアニメであり、かつ、国民的アニメの外にいて自由だったが故に、製作者はその作家性をいかんなく発揮できた。
プラス、日本のアニメのお家芸である、スピード感のある動画が組み合わされば、それは名作が生まれるはずである。
みんながすでに知っているから、説明描写を描く必要がない。
隙だらけのアニメだから、作家性が入り込む余地がある。
大人向けのネタが許されてるので、大人向けの物語をやることにあまり抵抗がない。
絵はアニメの最先端をゆく、現役バリバリのアニメーター。
名作が生まれる土壌全て揃っている。
こういう自由な土壌があると、才能のある人材が頭角を現す。
原恵一がその一人だ。
アメリカには、ロジャーコーマンと言う人がいて、ロジャーコーマンは、若手の映画監督を安い金で雇い、ドライブインシアターで上映されるようなゴミ映画を作っていた。
ロジャーコーマンの映画では、暴力、おっぱい、爆発、この3つが映画に盛り込まれていれば何をやっても許されていた。
こういう自由な土壌で映画を撮りまくっていた当時の若手の映画監督は、今ではアカデミー賞を取るほどの巨匠となった。
クレヨンしんちゃん映画は、日本のアニメ映画界におけるロジャーコーマン映画のような位置付けであったのだろう。
クレヨンしんちゃん映画では、家族の絆、オカマ、しんのすけがズボンを脱ぐシーン、が出てきさえすれば、何でも許されていた感がある。
皆さんもご存知国民的アニメと言えば、ドラえもん、サザエさん、ちびまる子ちゃんといったところか。
この辺のアニメの不運なところは、おふざけや下ネタや製作者の作家性がが入り込む隙が少ないこと。
ドラえもんに至っては、映画の物語は基本手に漫画の大長編に沿って進むため、製作者は物語をいじりにくい。
現在、クレヨンしんちゃんも国民的アニメの一角となっており、以前ほどは冒険しにくくなっているから残念。
何もかもお見事すぎる。
実らない恋・・・切ない!
最後におじさんがうたれてしたった展開が「えっ」予想外。やっぱり歴史は変えられないのか・・・。でも、そこで死なせちゃったのは残念だった。
しんちゃん達も悲しかったようけど、一番辛かったのはれんちゃんだろうな。
前半は前フリみたいなもんで、後半の戦に入ってからは怒涛の如く人情味溢れる展開が待っています。
ちょっとしたカットや台詞の端々に、キャラクターの心理が読み取れます。
それも複雑なものではなく、中学生でも分かるくらいのシンプルなものですので、将来子どもができたら見せてあげたい思いました。