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ベルリン特急 プロット アメリカ 04月17日 1951 台灣上映
リスボン特急 プロット フランス 12月16日 1972 台灣上映
バルカン超特急 プロット イギリス 01月01日 1976 台灣上映
極楽特急 プロット アメリカ 01月01日 1933 台灣上映
暴走特急 プロット アメリカ 01月20日 1996 台灣上映
シベリア超特急2 プロット 日本 01月13日 2001 台灣上映
上海特急評論(2)
オリエント急行の中国版みたいなものと思って下さい
あちらはイスタンブールからパリまで約二千キロ走破する国際列車です
オリエント急行殺人事件の原作は1934年の発刊
こちらは1931年の夏を舞台にして、1932年2月12日に米国公開、同年3月日本公開ですから、本作の方が先になります
1932年1月28日から3月3日にかけて第一次上海事変という日中の軍事衝突が起こっています
時節ネタとして大変にホットな映画だったと言うことです
本作の舞台となっている1931年の夏も第一次国共内戦の最中で混乱を極めている当時の中国の状況を反映したもので、お話もそれがベースとなっています
残念ながら日本人は登場しません
マレーネ・ディートリヒが問答無用で美しいです!
高い鼻、尖った顎、形の良い頬骨、細い眉、細い指、細い腰、長い手足
衣装も彼女の魅力を最大限に発揮する退廃的でドレッシーなものです
彼女をイメージするとき思い浮かべる姿は本作のこの姿だと思います
大人の女性の美しさそのものです
男がその美しさに自滅してしまう、ファムファタルのそのものです
上海リリー
それが本作での彼女の通り名ですがまさにピッタリです
ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督がドイツで彼女を発掘して、米国に連れ帰って来た逸材女優です
米国で監督と組んでモロッコ、間諜X27ときて本作が3作目、毎年1作ペースです
本作で大スターの座を不動のものにしたと思います
観て得したような気分になれる作品です
その筋の女だが、気ままで 投げやりな反面
一本気で、垢抜けもしてしまった様な
不思議な魅力の美女を演じている
ストーリー展開は いまいちに思えるが
彼女の一挙手一投足に 目が釘付け
スタンバーグ監督が 女性のファッションに敏感なのも
衣装担当のトラヴィス・バントンが全盛期なのも
効を奏している
もちろん彼女自身の美意識も
毛皮、ダチョウの羽根、ベネチアンレースなどを駆使した黒の衣装に (キモノガウンも)
帽子のかぶり方もお洒落
(監督は婦人帽子店にもいた!)
そして照明の駆使により
浮かび上がる彼女の白い顔と輝く金髪
くゆらす煙草の煙まで 計算されているみたい…
唐変木の軍医の元カレとの絡みも 工夫されている
軍人の帽子も似合う、そしてそれを(男も) もて遊ぶような中にチラリと本気が見える演出… 美しい…
英語がまだ、たどたどしい様に思うが(?) それも逆手に取り 可愛らしさ、女らしさに見せている
あとは 中国人娼婦(アンナ・メイ・ウォン)の存在感と 上海特急が見処かな
スタンバーグ監督のディートリッヒに対する、情熱みたいなものが感じられました
彼女の人生を決定づけてくれましたね
画面を見て、嫁が激怒してたのが理解出来ます