「南部の唄」のウォルト・ディズニーが1950年度に製作した初の劇映画、英国で撮影されたテクニカラー作品である。ロバート・スティヴンスンの著名な原作から、ローレンス・エドワード・ワトキンが脚色、キャメラマン出身の新人バイロン・ハスキンが監督した。撮影は「ベデリア」のフレディ・ヤング、作曲は「暁の雷撃戦」のクリフトン・パーカーで、製作事務は「バンビ」のパース・パイスが担当する。主演は「南部の唄」のボビー・ドリスコル、「邪魔者は殺せ」のロバート・ニュートン、以下「赤い百合」のバジル・シドニー、「情炎」のウォルター・フィッツジェラルド、「邪魔者は殺せ」のデニス・オディアらが助演する。
宝島(1950)評論(1)
「生命の泉」との共通点は、一枚の地図による宝の争奪戦と、悪の親玉が実在した海賊“黒ひげ”をモチーフにしたこと。
逆に何が違うかというと、主人公が大人ではなく少年で、欲深い大人の間で大事なものを見つけ、心優しい行動をとっていく冒険を描いたところにある。
いまの子供たちが、この2本を観たとしたら「宝島」のほうに共感するのではないか? そんな気がする。きっと同じ年頃の冒険にワクワクドキドキするに違いない。もう何年もそういう青少年向きの映画がない。子供の時こそ見せたい映画があり、「正しいと思ったことをやり遂げる勇気を持つ大切さ」は普遍的なテーマだから、古くてもいい映画は是非、見せてあげて欲しい。
大人になった、それもだいぶひねくれたオッサンになった今、DVDで観なおしても、色彩も美しく、よくできた特殊効果に感心させられる。