サンフランシスコにそびえ立つ地上138階の超高層ビルの落成式の日、発電機の故障から発火、たちまちビルは炎の地獄と化した。製作はアーウィン・アレン、共同製作はシドニー・マーシャル、監督はジョン・ギラーミン、アクション・シークエンス監督はアーウィン・アレン、脚本はスターリング・シリファント、原作はリチャード・マーティン・スターンの「ザ・タワー」、トーマス・N・スコーティアとフランク・M・ロビンソン共著の「ザ・グラス・インフェルノ」、撮影はフレッド・コーネカンプ、アクション・シークエンス監督はジョセフ・バイロック、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、編集はハロルド・クレスとカール・クレスが各々担当。出演はポール・ニューマン、スティーヴ・マックィーン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、スーザン・ブレークリー、リチャード・チェンバレン、ジェニファー・ジョーンズ、O・J・シンプソン、ロバート・ヴォーン、ロバート・ワグナー、スーザン・フランネリー、オーマン・バートンなど。
タワーリング・インフェルノ評論(20)
もう何度目になるのだろうか。
当然ほぼストーリーは覚えてしまっているのだが、それでもハラハラドキドキしてしまう。
言わずもがなだが、「ポセイドン・アドベンチャー」と並んで、パニック映画の頂点に君臨する傑作。
しかもこの2本は同じアーウィン・アレンがプロデューサーを務めているという。
特に、老いた詐欺師を演じるフレッド・アステアが素晴らしい。
こういう映画は年末の地上波でなんとなく見ているのが楽しいのかもしれないね。
火災に直接遭ったことはないのですが、3歳の頃に両親が結婚式に出かけてしまい、家に一人残された幼いこどもがいました。冬だったので石油ストーブを点けっぱなしで出かけたらしいのです。結婚式だから、せいぜい3,4時間くらい・・・ということだったのでしょう。ところが、当時の石油ストーブには安全装置なんてものはありません。芯がうまく調整されてなかったのか、不完全燃焼の状態だったのです。こどもには芯の調整を自分でできる能力もなく、一酸化炭素が蔓延する小部屋から逃げ出すものの、外に通ずるドアには全て鍵が・・・息苦しい、煙が充満、目も見えない状態となり、逃げ惑う少年。這うようにして煙から逃れ、意識を失いました。そう、それは私です。何故だか苦しかったことだけ覚えています。後から聞くと、もう数分遅れていたら死んでいたかもしれない。だったそうです。時々父親から「3歳のとき、お前を殺しかけた」と泣いて謝っていたことも数度ありました。
多分それがトラウマの原因となり、火災の映画を見ると息苦しさを感じていたから、無意識に避けていたのでしょう。『バックドラフト』もそうです。『オンリー・ザ・ブレイブ』もそうです。映画館ではとても見れないだろうし、途中退席しそうなほどなのです。一番辛かったのはUSJのバックドラフト館でした・・・これは時間が短いから平気でしたけど、今作みたいに長時間に及ぶと絶対に休憩が必要なほど息苦しさを感じるのです。それを今回改めて感じました・・・
でもストーリーは単純ながらも素晴らしい。真面目に見ると、やはりフレッド・アステアのパートが最高でした。エレベータ、階段、隣のビルへのゴンドラ移動、そしてエレベータの吊り下げ、給水塔の・・・と、この作品以降に似たようなスペクタクルが使われてますが、原点でもあります。そして予算削減のための品質劣化や災害対策など、未来に向けたメッセージが色々と盛り込んでありました。そして、「蜘蛛の糸」のカンダタも一つのテーマですね!
DVDで鑑賞。
もはや説明など不要なパニック映画の金字塔。
直近の映画だと、「スカイスクレイパー」しかり。
直近の小説だと、五十嵐貴久「炎の塔」しかり。
今日まで多くのリスペクトを集め続ける名画です。
小事が大事へと発展していく冒頭の展開はいろいろと身に摘まされました…。「まぁ、これくらいどうってことないやろ」という油断と楽観が取り返しの付かない事態へと発展していくのは世の常。高校生の頃に初めて本作を鑑賞しましたが、仕事をしている今になって観返すと余計にそれを実感しました。何でもなぁなぁでやっちゃあダメ。教訓になりました。
ビルの中層階で発生した火災により、落成パーティーの参加者たちと住民たちが取り残される事態に…。スティーブ・マックィーン演じる消防士とポール・ニューマン演じるビルの設計士が、この前代未聞の非常事態に、知恵と勇気を武器に敢然と立ち向かっていきました。
極限状況の中で繰り広げられる圧巻の人間ドラマが秀逸の極みでした…。上流階級の人々や政治家などなど、様々な人間模様が入り乱れました。これぞパニック映画の醍醐味! スペクタクル描写も大事ですが、人間ドラマの無いパニック映画はパニック映画じゃないぜ!(断言)
・金力や権力をアピールしたいがための豪華な建築。
・きっかけはお金をケチったがための欠陥工事。
・全般的にいい人は助かり、悪い人は助からない(いい人も何人か亡くなってしまったのは残念でした)。
・危機を思いがけないアイデアで脱出。
・パニック中に愛の告白をする。
・たくさんの登場人物とその数の人間ドラマあり。。
という、いい意味でパニック映画の定型なストーリーが心地良かったです。
1974年の映画ですが、今観ても迫力ある映像というのがスゴイ。