ジョン・ボイトとダスティン・ホフマン共演によるアメリカン・ニューシネマの名作。大都会ニューヨークで生きる若者たちの孤独と友情を描き、第42回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞を受賞した。テキサスの片田舎からニューヨークへやって来たカウボーイ姿の青年ジョーは、自身の肉体と美貌を武器に金持ち女性の相手をして富と名声を得ようと考えていた。しかし最初の客に騙され、逆に金を巻き上げられてしまう。そんな彼の前に、足の不自由な詐欺師ラッツォが現れる。2人はともに底辺から這い上がろうともがくうちに奇妙な友情で結ばれていくが、ラッツォは深刻な病に侵されていた。監督は「ダーリング」「遥か群衆を離れて」のジョン・シュレシンジャー。
真夜中のカーボーイ評論(15)
「ここではないどこか」
を求めて
田舎者のカーボーイが都会に出てきて仕事をなんとかして探しても上手くいかず相棒となんとか生活が回りだしたと思った矢先こんなことになるのは世の中の不条理さ虚しさがありまさにアメリカンニューシネマ。
大傑作。
ダスティン・ホフマンの映画は大抵好きだけれど、これは特別に好きな作品と言ってもいいと思う。
ここに登場する二人の男は痛い。
アメリカンドリームに憧れながら、アメリカの夢を手に入れられなかった男たちの物語だ。
たまたまここに描かれた二人の男はクローズアップされたに過ぎないが、実際はあまたの人々がこんな感じなんだろうと思った。
アメリカという国には夢と悪魔が潜んでいる。
それをまざまざと観客に見せつけた。
また、ニルソンの「噂の男」という主題歌がいい。
この映画の雰囲気、当時の時代性を反映していると言える。
いや、今でもこのタイプの映画を撮るのだとしたらきっとこの音楽でいいのだと思う。
全てが素晴らしい。
あんな死に方はないな。