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クリーン プロット フランス・イギリス・カナダ合作 08月29日 2009 台灣上映
クリーン ある殺し屋の献身 プロット アメリカ 09月16日 2022 台灣上映
クリーン、シェーブン評論(15)
幻聴と強迫観念に囚われる統合失調症の男の話。
嫁を亡くし壊れて行く中で、娘を養子に出された男。
幻聴に襲われてキレたり、頭を抱えて打ちつけたり、頭に何かを埋め込まれている気がして挟みで頭皮を切ったり…剃毛はヘタなだけみたいだけど…。
そんな中で起こる殺人事件の容疑者としてマークされる主人公。そして彼が近付く女の子。
まあ、サスペンスとしてつまらなくはないけれど、ミスリードっぽいなと感じてしまいちょっ
ともの足りず。ラストの展開は嫌いじゃないけど、銃を向けたとはいえ刑事の方の余韻が温く物足りなかった。
監督は、統合失調症というものを描き、人々に、それがどのようなものか理解してほしかったとインタビューで答えていた。
終始、ラジオのノイズのような音や、遠くなのに大きい音だったり、近くなのに小さな音だったり、ボリュームのバランスの悪い騒音などが流れ続け、頭の中を駆け巡る。
そして、巻き起こる悲劇。
当時、統合失調症を患う人の、何らかの救いになればと制作された映画だが、情報が溢れ、ネットの攻撃的なやり取りが止まない現代社会こそ、統合失調症を患っているようならもので、この作品に通じるものがあるように感じるのは僕だけではないだろう。
決して、キレイにならすことなど出来そうにない。
ラジオの電波からの不穏なノイズ、屈強な黒人男性を想起させる罵声はピーターが収容されていたであろう精神病棟?でのトラウマか?
幼女の惨殺された死体、ピーターに目をつけた刑事、物語の序盤に車を盗み、おそらくは持ち主である女性が襲われる場面は描写されず、少女を殺した確信が確証にはならず危ういギリギリの線を踏み外す互いに!?
娘を探し出す明確な物語がありながら、奥さんが死んだ理由や母親の素っ気ない態度、養子に出された娘と新しい母親の関係、娘が父親に対する思い、何よりもピーターの現状の理由は周りの人間から想像するしかない。
目を覆いたくなる場面よりも主人公であるピーター自身の姿や行動全てに恐ろしさを感じてしまう。
まず、「シェーブン」 shaven は「ひげをそる」という意味の動詞。cleanは「きれいにするですね。まずここを知らないと、「シェーブン」という人が出てくるのかな?という点で混乱しそうです。
統合失調症をテーマにしているため、「その意味で」ストーリーは支離滅裂であり、もっぱらその症状も描かれるため(妙にラジオの天気予報に興味を持つなど。ストーリーの4割近くはラジオで天気予報を聞いてる)、こういう精神疾患の方もいる、という点を理解しないと、何がなんだかわからず、最後まで理解不能ではないか…と思います。
もっとも、多少なりとも前日に予習しましたレベルでも、やはり統合失調症の患者さんを扱う映画ですので、「結果的に」ストーリーが支離滅裂である点は仕方がなく(逆に、その主人公なのに思考がクリアで、何の問題もないがいきなり不穏当な発言を「突如」始めるほうが混乱する)、この点は問題視しませんでした。
※ そもそも、この映画、現在ではシネマート新宿/心斎橋でしかやっていないそうです。
ただ、下記の点が明確に気になりました。最悪、映画館とのトラブルを引き起こしかねないので、いくら「こういう内容を扱う問題提起型の映画」といっても、トラブルを引き起こしかねない内容は事前に断りを入れるべきだろう…と思います。
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(減点0.3) 先にも述べた通り、統合失調症の患者さんがテーマの映画です。そしてこの疾患は(この映画の中では、ストーリーの最後まで)治りません。
これが実はエンディングにまで入り込んでいて、エンディングクレジットのいろいろな箇所(場所は移動する)が意図的に隠れたりする「放送事故」的な描写があります。
私は眼鏡持ちなので、眼鏡が壊れたのか…と思ってふいたり、別の角度から見たくらいです。
そのあと「ご視聴ありがとうございました」みたいな(シネマートの)画像が1枚でますが、そちらはいたって普通なので、反対解釈すればその部分(エンディングのクレジット部分)だけがそういう描写になっていたことになります。
さすがにこれは混乱するというか、シネマート新宿/心斎橋さんはどちらもミニシアターで、ミニシアターならではの苦労(維持の大変さ)もあるので、観客側は放送トラブルか?と思い込んでも仕方がなく(大手の映画館だとまずないですが…)、もちろんこのシネマート系は映画館とお客さんの距離感が近い映画館スタイルなので、実際にトラブルになることはないと思いますが、大手の映画館でやると苦情が来るんじゃないか…と思います。
この点に関しては、最初に「エンディングの描写は意図的なものです」くらい、最初に入れておくべきだったのでは…(トラブル防止。日本で放映される映画で統合失調症を扱った映画はいくつかあるが、その疾患のため「ストーリーが支離滅裂」、という類型は多くても「エンディングロールまでおかしい」という映画はなかったはず)というところです。
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