「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督が北海道・知床と東京を舞台に、2組の男女の時空を超えた愛を幻想的に描いたラブストーリー。東京で暮らす青年・涼は、亡くなった恋人ゆりとの思い出の品々を思いがけず手にしたことをきっかけに、マジシャンになることを決意する。ある日、自分と生き写しの人間がいることに気づいた涼は、生前のゆりの不思議な言葉に導かれるように北海道へ向かう。その旅の途中で、涼はゆりと瓜二つの女性・亜矢と出会う。亜矢もまた、2年前の事故で行方不明になった恋人で涼にそっくりな天才マジシャン・隆との再会を願っていた。「ライチ☆光クラブ」「曇天に笑う」の古川雄輝と「桐島、部活やめるってよ」の藤井武美がそれぞれ1人2役でダブル主演を務め、竹中直人、袴田吉彦らが脇を固める。
風の色評論(20)
古川雄輝が主演と知り絶対観たいと思い
さらに「猟奇的な彼女」の監督だと知り
行かねばならぬと思い
小雪が舞い散る先週の金曜日に行って来た
確か冬の北海道が舞台の映画なので
まさに「風の色」映画鑑賞日和だと(笑)
前置きが長くなったが
私はこういう作品というか こういう作りの映画は好きだ
綺麗な音楽の中での2人のラブシーン
メロディが昔観たメロドラマのような懐かしく切なく
泣けてしまうような音楽
死んだ彼に似ている男を愛してしまい苦しむ彼女
彼女は好きだが彼女は僕ではなく僕に似ている彼が好きなのだと
苦しむ男
恋愛ってどうしてこう面倒くさいのか
過去にとらわれず、今 相手の存在を素直に受け止められれば
いいのに
その二人の思いのぶつかり合いが やりとりが
切なくて切なくて
あの主題歌が2人の切ない想いを代弁するかのように
盛り上げる まあ 卑怯な!
でもこの卑怯さは私は好きです
色々とつっこみどころはあるのですが
私は好きです この作品
海のそこで死んだの?見つからないの?そんなことある??探しかた悪いよね……これなら彼も二重人格だったの方が面白いような。謎が面白くないし、そのマジック成功するか?ってマジックばかり……
「猟奇的な彼女」で知られる韓国のクァク・ジェヨンが監督と脚本。韓流らしい大甘なメロドラマだが、ファンタジックな要素と、リアリズムに筋を通す要素のバランス感覚が独特だ。古川雄輝と藤井武美、ともに感情を全開にせず思いを内に秘めた演技を見せ、韓流のケレン味と抑えた日本的情緒のバランスも悪くない。網走の流氷の海を砕氷船で行く映像の美しさとスケール感は特筆に値する。この場面で映画全体が引き締まった。