「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔が4年ぶりにオリジナル脚本でメガホンをとり、見た目も性格も正反対な兄弟と姉妹を主人公に描いた人間ドラマ。印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ……。和成役を「東京喰種
トーキョーグール」の窪田正孝、卓司役を「百円の恋」の新井浩文、由利亜役をお笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子、真子役を「闇金ウシジマくん Part3」の筧美和子がそれぞれ演じる。
犬猿評論(20)
それ以上に唸らされるのは、今に始まったことではないが、女優の目利きという優れた点も見逃せない。前述の堀北も新境地を開拓したが、今作では姉妹を演じた「ニッチェ」の江上敬子と筧美和子のキャスティングが絶妙だ。江上は「令和の藤山直美」になれるほど非凡な才能を開花させ、筧も難しい役どころをしっかりと演じ切っている。窪田正孝も素晴らしかったが、とにもかくにも女優陣の姿に焦点を当てて見てもらいたい作品。
とっても笑えた。四人のキャラがしっかりしていたので面白かった。
印刷会社を経営する姉妹の姉が面白い。
取引先の営業マンに事あるごとにアプローチするが、いつもさらりとかわされる。
美人の妹との比較で姉の魅力がより一層浮き彫りになる。
「近くに美味しいステーキの店ができたの、行きたいよね」と独り言のようにつぶやき、遠回しに誘うも「そうだね、行きたいね」と社交辞令風に断られる。
それが妹の場合は「一緒にいこう」と態度が様変わりする。
それを近くで見ていた姉は呆然自失。
また、取引先の無理な注文を承諾した見返りとして、約束した遊園地でのデート。
そこで、「彼女できたよ」と予期せぬ宣告を聞き、思わず口の中のものを吹き出したシーンはツボにハマり笑いを噛み締めた。吹き出し方が豪快だった。
他にも親戚が集まる場で、姉が妹への嫌がらせで、妹が出演しているエロいDVDを突然TVで流したこと。
その時、場の雰囲気の固まり具合が抜群に笑える。
このようなに笑える場面を盛り込んでコメディ風に仕上がっているが、この作品は兄弟げんかを通して、どんなに仲が悪く、いがみ合っていても、根底には深い愛情があるという人間模様を描いた暖かなストーリーとなっている。
問題のない兄弟は居ないのかもしれない。