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オカルトの森へようこそ THE MOVIE評論(16)
白石晃士監督ファンにはたまらない、「コワすぎ」だったり「オカルト」だったり「カルト」だったりの引用、参照、オマージュがテンコ盛りの白石マルチバース的な快作。特に白石作品に数多く登場する、「本人が正しいと信じることのために、まったくもって論理的でも倫理的でもないとんでもないことをしでかす」狂気ゾーンに入ったキャラしか出てこなくて、振り落とされる観客もいるんじゃないかと思うのだが、あえて振り落としにかかっているような突っ走るパワーこそが本作の真髄だと言える。
ワンカメ取材のフェイクドキュメンタリーというおなじみの体裁ゆえに目がクラクラして酔いそうになるので、人によってはツラいと感じるだろう。しかし白石監督くらいポジティブにムチャとデタラメをやり通せる映画作家はほかにいないのではないだろうか。
あと伊能昌幸が出演していて、宇野祥平とタイマン勝負をすることで白石バースと阪元裕吾バースが接触事故を起こしてる感じも、フェイクドキュメンタリー界の新旧コラボ的な良いサービスでした。
ホラー監督のもとに届いた不穏な映像の贈り主を訪ねて、ホラードキュメンタリーの撮影を敢行する監督と助監督の話。
監督のオフィスを訪ねて来る怪しい男から始まるけれど、なんと本編とは関係なし!?
イッちゃってるのか取り憑かれているのか、明らかにおかしな言動の女に始まり、すっとぼけけていたりスカしていたりとホラーだけど悪ふざけ的な感じも強く、怖がらせ様としてるのか笑わせ様としているのかw
ただ、プールの辺りからテンポがだだ下がりだし同じ様なことの繰り返しだしで結構ダレてくるし飽きてしまった。
面白かったけれどこれで120分超えはちょっとね。
「カルト」の続きが気になった人も是非。
江野くんのかっこよさは最高!
正直、今週これが「ある意味で、人によって」「地雷枠」になりうるのか…という感じがします。参考となる作品群を知っていればよいのかもしれませんが、それがないと本当にわからない展開に飛んでしまい、何がなんだかわからない謎展開(「彼方(かなた)から来たもの」などの表現もあるので、クトゥルフ神話か何かを想定できるが…)になるかと思えば、ラストはまぁそりゃそういう展開になるのはわかるのですが、いろいろ謎が多いです。
…この監督の方のことをよく調べたのですが、1999年レビューで今まではホラー映画を多く出されているとのことで、一定程度の「ベクトルの向き」は20年ちょっとでは変わっていないようです。また、他の方も指摘されている「映画として観にくい描写形式」もそれにこだわっているようです。
そうなると、多少変な展開にはなるし、その前提において、個々の民法や各種の法規の解釈がおかしいうんぬんも、もとがホラー映画なのだからそれも当然の話で、それをどうこういうところではないと思うので、そこの減点幅はないところです。
一方で、やはりとり方というのでしょうか?確かに20年もたった現在ではもっとIT技術も、リアル技術も進歩しているのだと思うのですが、それでもこの映画のように撮られるというのは、やはり一つのこだわりなのかな…と思います。
確かに「妙な展開にいってしまう」部分はあるにせよ、趣旨としては理解できるし、映画として????という「全部が意味不明」ということにはなっていないので(納得するかは別にして、ちゃんとした結末はついています)、極端に「その前提においては」引けないのかな、というところです。
とはいっても、ホラー映画というのは人(監督さん)のすき好みでそれぞれぜーぶ違ってそれでいいんだ、って思ったのが今回の調査騒動でした。
ワザとマンガのキャラクターみたいな嘘くさいキャラ付けをしているのは伝わるんだけどだからといって異常なキャラ性が弾けるわけでもない。
ワザとリアリティのラインを徹底的に下げているんだろうけど見たことの無いハチャメチャなシーンが見れるわけでもない。
リアリティゼロの設定、世界観でやってるのになぜか手持ちカメラ多用でモキュメンタリー手法w
映画を2、3本観たことがある、あとはクラスのみんなが読んでるマンガを読んだことあるくらいの中学1年性が映画を作ったら?というIF映画としてはすごくリアル。