50% 想看,共 106
評論 | 分享
タイム・オブ・ヒーローズ プロット カザフスタン 01月20日 台灣上映
仕掛人・藤枝梅安 プロット 日本 02月03日 台灣上映
暗殺 プロット 中国 02月03日 台灣上映
依存魔 プロット ベルギー・フランス合作 01月27日 台灣上映
サボテンと海底 プロット 日本 02月17日 台灣上映
デブリーズ プロット 日本 02月17日 台灣上映
ノースマン 導かれし復讐者評論(5)
『ターザン:REBORN』でもムキムキぶりをアピールしていたアレクサンダー・スカルガルドだが、本作は『コナン』のシュワちゃんを彷彿とさせるボディが説得力十分。剣劇アクションは華麗さよりも重厚さ・荒々しさに重点を置いている。父殺害の動機の真相に意外性を感じなかったり、敵討ちにかける時間が長すぎないかといった細かいツッコミはあれど、外連味たっぷりな画作りはエガースらしさ爆発。前監督作『ライトハウス』同様、本作でも"鳥”が重要なモチーフになっているのは見逃せない。劇伴で『移民の歌』を流れたらテンションMAXになっていたが、流石にそれは無理だったか。
道産子としてはお菓子のノースマンがチラついてしょうがなかったのだが、しっかりコラボレーションしていたようで何より。
ドラマの中で何度となく出てくる四つん這いになって、遠吠えする男たち。人間も、理性で着飾ってはいるけどそれを剥ぎ取ると、野獣、そしてストレートな感情。こういう人間の赤裸々な姿は、現代劇では描けない。
たとえば、ビルの谷間で男が長い髪を振り乱して、人に襲いかかるなんて、それはホラー映画でしかあり得ない。でも、どんなに着飾った人間にもそういう野生としての血はあるんだろうと思う。
ストーリー全体を覆うのは復讐。親を殺された憎しみ。それが人間を突き動かす。現代の殺人事件にしても、そういう野生的な側面が理性を抑え込んだとき起きる。しかし、大概のひとは、対人で嫌なことがあってもグッと堪える。だから、著名人が計画的に殺人を犯す刑事コロンボは、ちょっと嘘っぽい。
最後は相打ちで主人公も亡くなるが、邪悪な相手を倒して、かつ、なくなっていく。これは、悲劇か?とも思ったが、上映後のトークショーでハッピーエンドだったと聞いて、そうか、そういう見方か!と思った。愛した女性の中に子孫を残せたから。だから、最後は安らかな顔がスクリーンにあらわれたのだ。
勧善懲悪で、悪い奴をやっつける同じ北欧神話のマーベルのマイティソーもいいが、ノースマンの方が人間の本性をえぐるドラマになっていてよい。ソーの兄弟のロキは殺されても殺されても死なないわけで(笑
今回は東京国際映画祭でみたが、1月の公開で再度見てみたいと思った。
"父王を叔父君に誅殺され母を奪われた王子が漂流の末に復讐を果たす"というまさしく『ハムレット』的な貴種流離譚がその本筋なのですが、そのモデルとされるスカンディナヴィアの伝説上の人物アムレートを主人公に、より物語の出自に沿った北欧神話的な純然たる暴力と峻厳な自然を背景としたダークファンタジーに仕上がっており、『ハムレット』の抒情たっぷりで"女々しい(誤解を恐れずに言えば)"部分を排した徹頭徹尾猛々しい復讐の物語にリビルドされています。
『ハムレット』はどうにも甘ったるくて…と感じている方々、幼少期に慣れ親しんだ『小さなバイキング ビッケ』から転じてバイキングの勇躍に惹かれる、そしてシュワちゃんの『コナン・ザ・グレート』やジェイソン・モモアの『コナン・ザ・バーバリアン』の野性味に打たれた方々ぜひ、というところ。
同監督の過去二作品とも人心の醜悪さや超自然的な事象に対する得体の知れない恐怖を鬻ぐ展開が高く評価されており、本作でもその手法は踏襲されつつもさらにアクション(それも多分にバイオレンスな)にロマンスという娯楽要素が加わり、製作者として一気にマジョリティーを獲得した感があります。
史実を背景としたリアリティーとケレン味を利かせたオーバー表現との間のバランスにやや迷いは感じられましたが、今後の彼の監督作品については職人としてよりどちらかに振り切った趣向が企図されるかと思うと、本作でのこの混然一体とした独特の妙味はなかなかに貴重かもしれません。それがゆえにオフトーンにも荒唐無稽にもなり過ぎず、独自の空気感が漲っているように思いました。
シェイクスピアの『ハムレット』ハムレットの元となったと言われている伝説。神々しい、ある種必然の題材。台詞回し然り、実際シェイクスピアや演劇的な要素が乗り移ったような瞬間もあった。アイスランドと言ったらビョーク、ちなみに監督と共同脚本務めるはこれまた一風変わった『ラム』のショーン。
忘れ難いビジュアルの数々!雄大な自然を捉える美しい撮影の中で展開されるのは決してスピーディーではない重そうなアクションだけど、それはそれで合っていた気がしたし、監督らしい顔の寄りなども挟みつつ独特なテンポを形作っていたと思う。笑っていいのか分からないインパクト溢れるシュールなシーンや展開も健在。
背中から肩にかけての筋肉がドラゴンボールや北斗の拳などマンガ並みなアレクサンダー・スカルスガルド大暴れ!今回母親役であるニコール・キッドマンとはドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』で年下の暴力夫として共演していたくらいだし、若々しいから少年が数年後にスカルスガルドになっててもあまり違和感なかった(ex. 朝ドラ、大河ドラマ)。ラストバトルは熱い!!
『ライトハウス』に続いてウィレム・デフォーの使い方分かっているし、『ウィッチ』か今やすっかり名作請負人となりつつある脂乗りまくりアニャ・テイラー=ジョイ。それにイーサン・ホーク大好きとしては嬉しい父親役。
Strike! To the Valhöll!
P.S. 本編中にプシュプシュ開けて…持ち込むの缶って!あと、コソコソする系の人、聞こえてるから!ずっとされていたら気になるから人思いにバッとしてくれ、と思った。
やたら綺麗な映像とロケーションで ついつい引っ張られます ニコールキッドマンがいい味だしてましたよ