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雄獅少年 ライオン少年評論(10)
スポ根であり、師匠の再生物語でもある。
主人公の顔つきがどんどん真剣な男の顔になっていく。
ラスト、感動の畳みかけで涙腺崩壊。
岩井志麻子もドハマりした今年の最高傑作!
結果出てないけど、優勝ですよね!
面白かったです。
ラストの時地震がありました。
少年ジャンプでも忘れられつつある努力・友情・勝利路線。
中華版『がんばれベアーズ』。
シリアスな家族の命の問題から、ちょっとだけラブコメ要素までモリモリに盛り込んだまさに王道少年漫画。
熱い!
灼熱な燃える展開!
さらに農村部、広州、上海の格差まで入っていて、情報量も半端なし。
字幕版(2022年池袋の「電影祭」で鑑賞済み)、吹替版と両方観ましたが、吹替版の方がストンと物語が入ってきてお勧め。
主人公の弱虫チュンが花江夏樹で、諦めの悪さで勝利を引き寄せるところが『鬼滅』の炭治郎とイメージが重なる。
一度夢を諦めた元天才な獅子舞の師匠が山寺宏一、チームメンバーが山口勝平に落合福嗣、老人に千葉繁と、ほぼ完璧な布陣。
難点は、吊り目や猿顔など「欧米人が抱く中国人・アジア人のイメージ」により過ぎたキャラクターデザインってところかな。
ここに抵抗さえなければ、かなり上質なエンタメ作品として楽しめるはず。
日本語吹替版主題歌の、のん新曲「この日々よ歌になれ」もハマっていて、最後まで楽しめましたよ。
クライマックスで思わず手を組んで祈ってる自分に驚き。
『羅小黒戦記』『白蛇』が良かったので期待してはいましたが、予想を遥かに超える興奮でした。
とにかく光が美しい。
予告編を見ただけでもハッキリわかると思いますが、全編通して光の演出が素晴らしい。
昼間の光、夕暮れの光、月光に朝焼け。
暖かい春の日差しに、明るい夏の日差しもきちんと描き分けられているので、空気ごと感じられます。
風や雨の描写も素晴らしく、風に巻き上げられる花や草がエモーショナル!
窓ガラスの水滴も良い芝居してますし、
スローモーションの水滴の美しさには息を呑みました。
そして都会の曇天…。
風景が雄弁に語ります。
主人公の思いが爆発するシーンの雲!
最高潮の瞬間を景色に語らせるセンスに痺れます!
民間芸能である獅子舞は、主人公にとって諦めずに強く生きることの象徴であると同時に、故郷の象徴でもある。
遠く離れて辛い生活を送っていても、太鼓の音を感じて獅子のように気高く生きる。
いちいち風景を印象づけていたのは、このテーマを際立たせる為だったのか!
スピーディーでダイナミックなアクションとユーモラスなシーンも最高でした。
自転車の追いかけっこはジャッキー世代にはツボですし、特訓シーンもたまらん。
シーンごとに様々なジャンルの音楽が使われているのですが、チラシと必殺技は大爆笑でした。演出もカッコ良くて笑いが増すww
藤本タツキ先生も『さよなら絵梨』でおっしゃってますが、ファンタジーをひとつまみ。やっぱこれに尽きます!
クライマックスの高揚感!美しい!!
あとスポ根展開では、ちばあきお先生の『キャプテン』を思い出して、勝手にテンション上がってました。笑
エンドロールで席を立ってはいけないタイプですのでご注意ください。
エンディングテーマも歌詞が良くてグッときましたが、日本語吹替版の主題歌はのんさんが歌うのですね。
ずいぶんと印象が違うかも?
中国の田舎町を舞台に、獅子舞に情熱を燃やす少年たちの姿を描いた青春アクションアニメ。
日本語吹き替え版主題歌を担当するのは『告白』『この世界の片隅に』ののん。
Filmarksさんのオンライン試写会に当選しましたので、鑑賞させていただきました!Filmarksさん、ありがとうございます♪
さて、昨今何かと話題を集める中国アニメ。
『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(2019)の日本におけるヒットは記憶に新しいところ。
そんな中国からの新たな刺客が本作。扱う題材はまさかの獅子舞!
とはいえ、たむらけんじがネタで使っているアレではなく、「舞獅」という2人1組となって演舞を披露する、舞踊とカンフーが一体になったようなもの。
ジャッキー・チェン主演の映画『ヤングマスター 師弟出馬』に出てきたアレっすね。
舞い踊る獅子舞の姿に「おおっー!ジャッキーのアレやん😊」と思っていると、すかさず「ウォン・フェイホンの伝説は誰もが知っているだろう…」というナレーションが。おおっ、フェイホンといえば『酔拳』シリーズでお馴染みのカンフーマスター!酔拳だけでなく獅子舞の達人でもあったのか。ここでもまたジャッキー要素が。ジャッキー・ファンとして、開始1分でニヤニヤしちゃいました✨
お話の内容も、往年の香港映画を思い起こさせる熱血カンフーもの。「友情・努力・勝利」をそのまま映像化したかのような、超ど直球なスポコン映画となっています。
情熱はあるがひ弱な主人公、女好きなサル、大食漢なデブ、ダメ親父だけど舞踊の腕は一流の師匠。そして主人公が憧れるのは超一流の美少女獅子舞ダンサー。
カンフー映画や少年漫画にありがちな設定ですが、ベタだからこその強靭さがあり、とても安心して鑑賞することが出来ます♪
美女を観て鼻血を垂らすとか、デブが乗ってバイクが壊れるとか、そういうベタすぎるギャグも満載。この辺りも香港映画っぽくて懐かしい気持ちになりました😀
物語の面白さやキャラクターの魅力もさることながら、本作で最も特筆すべきはその映像美!
3Dアニメーションで描かれた光や水の表現、そして舞い踊る獅子舞のアクションがとにかく素晴らしいっ👍
人物描写はあと一歩、という感じだったのですが、背景やアクションの描写は世界最高レベルと言ってもよいのではないでしょうか!
いや、やっぱ中国アニメのレベルはどんどん高くなってるな…。
基本は超王道の物語なんですが、後半ある展開により映画のトーンがガラッと変わる。『おしん』みたいな児童労働ものになっちゃって、正直「えぇ…こういうの求めて無かったんだけど…」と思っちゃった。
もちろんこの展開も終盤への前フリなんだけど、個人的には最初から最後まで熱血スポ根映画として貫徹して欲しかった。
あとこのシリアスな児童労働パート、時間の流れがなんかおかしい。
バリバリ働いていたように見えるけど、主人公が出稼ぎしていたのは予選会から本選までの間でしょう?それってどんなに長く見積もっても2〜3ヶ月くらいのもんじゃないの?かなり長い期間働いていたように見えたんだけど…。うーん、よくわからん。
時間の流れが変だといえば、主人公が獅子頭を取りに戻るシーン。アレ絶対間に合わないよね😅
あの風雲たけし城みたいなレース、一体何時間やってたんだよ…。
コミカルなノリやギャグは好きなんだけど、一点気になるのは本選で師匠が披露した『クレヨンしんちゃん』を思い起こさせるあのくだり。
それまでがかなりシリアスだったのに、急にくだらないギャグを挿入するもんだから、一体どういうテンションで鑑賞すれば良いのかよくわからなくなってしまった。
とまぁ、特に後半になってくると脚本のアラや杜撰なところがポツポツと出てくるのです。
そもそも獅子舞競技会ってなんだよ、って言いたくなんだけど、ああいうのって中国では本当にあるのかしら?
とはいえ、かなり楽しくて燃える映画なことは間違いない。
カンフー映画好きやスポ根漫画ファンには是非とも鑑賞してもらいたい一作であります!!