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Saltburn評論(20)
バリー・コーガンでミスリードを誘いながら、ライ麦畑のような純文学を描くと見せかけて、やっぱりバリー・コーガンに戻ってくる。
前作の「プロミシング・ヤング・ウーマン」のフェミニズム文学漂う脚本とは打って変わって、ありきたりな量産型のサスペンスになっているのが残念。
ただバリー・コーガン愛に溢れた作品である事は確かだ。
ラスト演出が物語るように、まるでバリー・コーガンのプロモーション映像の様であった。
音楽もフォントも映像も彼女が頭の中で思い描いていたアイディアを忠実に作られている感じが良かった。
でも、終始そんな感じ。
つまずかずについていけるし、内容もおもしろかったんだけど、脚本としてゆるい部分を感じた。
俳優陣はみんな良かったし、総合芸術感は楽しめた。
コメディ・サスペンスとありましたが、コメディ要素は??? どちらかというとサスペンスでした。
恋愛映画かと思っていたら、違和感だらけ(笑)
エメラルド・フェネル監督の、『プロミシング・ヤング・ウーマン』に続く2作目。前作同様マーゴット・ロビーが製作に関わっています。
最後まで見て、これは奇っ怪な作品だと驚愕でした。
変な映画が好きな方には超おすすめ!
プロミシング・ヤング・ウーマンの監督とはつゆ知らず.....
まず見始めて思ったことは、もうこれ自分じゃん...て感じでしたね。
陰キャでどうしようもなくて、陽キャの輪に入りたいけど入れず、遠くから羨望の眼差し。
なんやかんやでグループに取り入るも、自分の居場所ここにあらず.....。飲んでてもふっかけられるし、挙句に合コン的なのには呼びたくないと女性に陰口言われ、おこぼれの女性とヨロシクやってる時には空気読めない発言で女性途中退場...。
今作の主人公はまだ(展開変わるまでは)イケメンと仲良くなってよかったし、優等生で頭もいいけれど、自分の学生時代とか若い時とか...とても見ているのが切なかった...初めて友達になったやつは奇人だしね。あるある.....。
ところが途中から雰囲気が変わって怒涛の展開&ラスト。
面白かったです。
あのイケメンの豪邸にいた(学校の同級生)パーマの男って、従兄弟?友達?
わからずままだけど、彼の言葉もチクチクと嫌なことを言ってきて、あー...こんなやつ居るよなー...なんて暗い正月を迎えておりました。でも総合的に良かった。
主役のバリー・コーガン、好きな俳優です。
〜劇終〜
見かけが全然イケてないオリヴァーと王子様みたいなフェリックスの交流に関する物語は、一見、かつて見たスクールカーストものかと思いきや、行手には強烈な捻りが仕掛けてあった。
前作『プロミシング・ヤング・ウーマン』('20年)と同じく、監督のエメラルド・フェネルはオリジナルの脚本を手に、世の中で上位にいるとされる人々に痛烈パンチを喰らわせる。ターゲットにされるのは男性優位の社会と、本作で言えばイギリスの上流階級だ。
かなり際どい場面にも果敢に挑戦し、果ては全裸も披露している策略家の主人公、オリヴァーを演じるバリー・コーガンに注目が集まっているが、美しくて脆いおぼっちゃまをまるで自然体のように演じるジェイコブ・エロルディなくして、この物語は成立しなかったのも事実。同じく、オリヴァーが一夏を過ごすソルトバーンにあるフェリックスの豪邸で暮らす家族たちの崩壊ぶりが凄い。イギリスの貴族って本当にこうなの?と疑ってしまうほどに。特に、出番は少ないがフェリックスの母親を演じるロザムンド・パイクのイっちゃってる感。これを見た後、即行で『ゴーン・ガール』('14年)を見直してしまった。
監督2作目にして、エメラルド・フェネルはストーリーテラーとしての質の高さと同時に、俳優たちから一層の魅力を引き出す達人であることを証明した。