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クランスマン評論(1)
実際にはアラバマ州にはどちらもその郡は見当たらず、架空の田舎町という設定だろう
しかし実際に起こった事件に基づくという
時代設定は1960年代半ば
アラバマ州バーミンガムでは実際に1963年に黒人の公民権デモが警官隊に暴力的に蹴散らされる事件が起きている
胸糞の悪い人種差別
言葉だけではない暴力的な差別
白人に対しても黒人に融和的であれば敵となる
黒人と寝た白人女性もまた迫害されるのだ
町長自身がKKK団の支部長なのだ
最後にKKK団との決戦となるがカタルシスはない
ひたすら重い気持ちで映画は終る
暴力に対して暴力で応じ制圧した
ならば劇中登場するブラックパンサー党の先駆けのような若者の主張と結局変わらない
保安官がKKK団の生き残りを射殺した彼を撃ち殺さなかったのは何故か?
果たして保安官は何の為に戦ったのか?
人種差別に反対だからか?
違うと思う
彼は町の秩序を守る為だけに戦ったのだ
憲法を守る為にとは言うが、それは黒人の側に立ったものではない
しかし彼を撃たなかった
それだけが救いだ
KKK団の事は学校で習ったりして知っているだろうが、前世紀のことと思っていないだろうか
今の若者にとっては半世紀昔の話だ
しかしこの時代を生きている人間はまだまだ多くいる、記憶の中にあり、痛みが残っているのだ
このような話は決して遠い昔のことではないのた
名作映画アラバマ物語と同じ州の一世代後のこと
あの子供達が大人になってこの町にいたとしたらどうしただろう
チープなテレビドラマ風劇伴奏
セットもロケもチープ
撮影もテレビ的
しかし見応えはある