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デンジャー・クロース 極限着弾評論(20)
南ベトナムの農園地帯・ロングタンでオーストラリア軍がたった108人で、南ベトナム解放民族戦線の2000人と対峙し、わずか18名の死者だけで退けたという本当にあった作戦。
迫撃砲の自部隊への「至近着弾(デンジャー・クロース)」が、その作戦を可能にしたという史実を基に、無限ともいえるほど湧き出てくるベトコン相手に、ひたすら撃って撃って撃ちまくる(時々撃たれる)シーンだけの映画でした。
シナリオはグダグタ。
まさか令和の世に「中隊長、国に帰ったら俺、婚約者と結婚式を挙げるんですよ」ってセリフを聞くとは思いませんでした。
上長(大隊長・准将)がクソ野郎とか、テンプレのあらし。
映画としては正直面白くありません。
ただ、ミリタリー系映画好きとしては、戦闘シーンを丁寧に描いているだけで、多少採点は甘目に。
★は1か2でもよかったかも。
エンディングで、演じた役者と実際の兵士の写真を並べて見せるのですが、近年稀に見る、まったく似てない感がすごかったです。
昨今の戦争映画の中でも、ここまで戦闘を中心に描かれた作品は珍しいかも。
激しい戦闘シーンが目当ての人にはオススメ。
しかし、個人名を与えられている登場人物が多すぎて、誰が誰だか把握するのが難しい。複数の小隊に分かれてシーンが進む為、都度主人公がコロコロ変わったような感じで展開していくので尚更。
言うて自分も戦闘シーンが見たくて戦争映画を見ている部分もあるので、事が動き始めた中盤からは結構楽しめた映画だった。ラスト近く、意を決したように近接武器を手にするシーンとか結構アツかったし。
印象に残った人物は砲兵のマッチョ達や、小太りの中佐。中佐さん、後半なんか正義に目覚めたような感じになってたけど、結局あれはただの自己満の迷惑行為では…
でも、一番印象に残ったのは、最後、軍曹が兵の点呼をとるシーンで、「ドリンクウォーター」と呼ばれていた兵がいたシーン。オーストラリアではそういう名前が一般的にあるのだろうか・・・?
まあ、「ロングタンの戦い」といわれても知らないけれど。
軍司令部の基地が砲撃を受けているのに吞気な様子をみせる始まりで、白々しさを感じてしまいちょっと嫌な予感。
なんか演技、演出やカットが安っぽいし、BGMまでもイマイチ緊迫感とか緊張感とか臨場感とかないんだよなあ。
イマイチな演出は続くけれど、話としては非常に好みだし、戦闘が激しくなる後半は、BGMも良くなって、臨場感が増してきた。
まあ、変な演出は相変わらずだったけど、面白かったから良いかな。