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ドリームランド評論(1)
本年度アカデミー賞で作品賞などにノミネートされた「ミナリ」と同様に、希望に胸をふくらませ移住した家族の大変さがベースにあります。
ただ、同じアメリカの移住でも本作では1930年代半ばで、酷い干ばつに加え、世界恐慌もあり、さらに厳しい状況でした。
そんな背景のもと本作では、ある事件が起こり、主人公の17歳の少年ユージンがマーゴット・ロビー演じるアリソンに出会い、物語が大きく動き出します。
「ミナリ」は、実直な家族の様を描いていましたが、本作は17歳の多感な少年が主人公で厳しい現実から逃れたいと❝新たな夢の場所❞を探すという違いがありました。
このように本作は、危険な女性との出会いが人生を狂わす、といった単純な話ではなく、背景がしっかりと描かれているのです。
この脚本を非常に気に入ったマーゴット・ロビーは、サンダンス映画祭で史上最年少の23歳で長編デビュー作がコンペティション部門で審査員特別賞を受賞した新鋭マイルズ・ジョリス=ペイラフィット監督を抜擢し、本作が長編監督2作目となっています。
これからの監督なのか、本作では、まだ「傑作」という領域にまでは行っていないと感じました。
そしてマーゴット・ロビーのスタジオ「ラッキーチャップ・エンターテインメント」は、2018年のアカデミー賞で話題になった「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を皮切りに、本作が3作目となっています。
「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」と同様に、本作でもマーゴット・ロビーの本気度は伝わってきました。