長女が見つけた謎の卵の孵化をきっかけに起こる恐ろしい事件により、家族の真の姿が浮き彫りになっていく様を描いたフィンランド製ホラー。北欧フィンランドで家族と暮らす12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすため、すべてを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた「それ」は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。監督は世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、今回が長編デビューとなる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。
ハッチング 孵化評論(3)
この烏に悪意があったというより、火だねはティンヤの心の中にずっとあったことがこの映画の怖さだと思う。それがちょっとしたきっかけによって露見して、やがては家族を破滅へと導く。
ただただグロテスクなホラーは苦手だから、普段は決して観ないけど、
こういう心の闇に焦点を当てた、人間の怖さを描き出すホラーは、
重たい小説を読んだような感覚になるからけっこう好きかも。
どうして監督はこの映画を作ろうと思ったのだろうか。
どうして最後のセリフがあの言葉だったのだろうか。
非英語圏ゆえに原作国から入ってくる情報が少なくて、想像が膨らむ。
2022年サンダンス映画祭プレミア上映にて話題を呼び、その後フランスで開催された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭ではグランプリを受賞した本作。
このように映画界隈で話題になったことよりも、私は本作の題名と広告の絵面が気になっていた。そして見終わった後は、結末に驚くと同時に、妙な納得感があった。
一言で言えば、期待を裏切るような作品ではなかった。
ホラー映画という枠組みには入るものの、特に前半は、北欧スタイルの部屋など美しい描写に目が行く。そしてホラー特有の恐怖よりも、無垢な少女に寄り添って見守るような感覚に引き込まれていく。
ただし、気分が悪くなりそうになる特殊な表現手法などの生々しいシーンもあり、動物や獣風の描写に過敏な人は要注意。さらに、ストーリーは悲しくなるほど恐ろしい面もある。
完璧な幸せの形を自己流に貫く母親と、健気に慕う美しい娘の間で起こっていく変化とは?
1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ(主人公)の、少女らしい美しさと演技力は今のうちに見ておかないと後悔するようなレベルであった。
映画 #ハッチング #孵化 (2022年)鑑賞
フィンランド発のホラー映画です
森の中で見つけた卵を家で孵化させようとする主人公の少女
卵から出てきたものは、少女とその母親、そして家族が抱える闇を抉り出す何か
後味が何とも言えない
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました