実際の連続殺人事件をモチーフに、7人を殺したと告白する殺人犯と、その言葉に翻弄される刑事の姿を描いた韓国製サスペンスミステリー。恋人を殺害して逮捕されたカン・テオから「全部で7人殺した」という突然の告白を受けた刑事キム・ヒョンミン。しかし、テオの証言以外に証拠はなく、警察内部でもテオの言うことを信じる者はいない。それでも、テオの言葉が真実であると直感的に確信したヒョンミンは、上層部の反対を押し切り捜査を進めていく。やがて、テオの証言通りに白骨化した遺体が発見されるが、その途端、テオは「死体を運んだだけ」と証言を覆す。「チェイサー」「哀しき獣」のキム・ユンソクと、「アシュラ」「神と共に」のチュ・ジフンがダブル主演。脚本に「友へ
チング」のクァク・キョンテクが参加している。
暗数殺人評論(20)
いい意味で暗く重苦しい雰囲気、犯人の振り切れたサイコパスさ、虚構か真実か不明の映像など、なかなかの見応え。
ただ、前提条件で、犯人から供述を得るために常に金を渡すのがどうにも理解できないところ。親族から金を借りてまで。犯人に対する情熱はわかるが、締めあげずに金を渡し続ける前提条件がどうにも腑に落ちない。
事実だったんだろうが、なんでそんなことするん、普通に捜査しろよというところがもやもや。
その一点に目を瞑れれば、内容、進行ともに続きが気になりまくる名作といっていい感じ。
トータルで言えば、おすすめ、面白かったです。
序盤の食堂シーンから最高
主人公(哀しき獣のミョン社長❗)も犯人役も最高
エクストリームジョブのあいつも刑事役で(全然気付かなかった)
ただ、後半話に多少ついていけなくなって(登場人物がごちゃごちゃに)また観なおそせば理解できるだろう
久しぶりに映画館で観賞。やっぱり映画館で観る映画は格別です。
冒頭の、麻薬取締官をしているキム・ユンソクが参考人のチュ・ジフンから食堂で聞き取りをしている途中で、横から殺人の容疑でチュ・ジフンを追っていた刑事たちがタックルをしてくるシーンから衝撃を受けて引き込まれました。その後も緊迫した展開で最後まで一気に観てしまいました。ただ、最後は急に話がまとめられて終わってしまった感があり、そこが少し残念でした。
キム・ユンソクは『チェイサー』もよかったし刑事役が似合うなと思いました。あのドロンとした眼つきが暗い過去を背負っている感じがして、物語により深みが増す感じがします。チュ・ジフンもサイコバス役がはまっていました。
監督はこれが長編デビュー作ということで、今後の作品が楽しみです。
救いようのない殺人犯、カン・テオと、地味に執着心の強い刑事、キム・ヒョンミンの静かな攻防。
「なぜ余罪を自白したのか?」
「なぜ公的な場では否認するのか?」
「誰が殺されたのか?」
頭のキレる殺人犯の言動が、捜査と作品全体を掻き乱していく。
一つ一つのアクションに苛つきは募るばかり。
まんまと手の内で踊らされているように見えるキム刑事に対してもモヤモヤしてみたり。
一進一退を繰り返しながら少しずつ見えてくる殺人犯の所業とその目的。
あまりにも自分本意なそれらに頭が痛くなった。
きっかけとなる過去の傷がまた憎い。そんなの言い訳にもならないけれど。
姉の流した涙の重さにまた一つため息。なんかもうほんと、やりきれないよ。
淡々とした態度の影に固い意志とたしかな熱さを持ち、
捜査を続けるキム刑事。
愛する人を突然失う気持ちは自らも味わっている。
湿っぽく分かりやすいドラマは省きつつ、時折胸にグッと迫る台詞を吐くのがとても印象的かつ象徴的だった。
派手な仕掛けは無いものの、シンプルな心理戦にスリルを感じ、撹乱される捜査と深まる謎に翻弄される面白い映画だった。
観賞後に残るムワ〜ッとした嫌な気持ちもまた良し。
殺人事件がスッキリ解決!なんてそんなこと、絶対に無いのよね。
カン・テオの異常性はかなり魅力的だったので、そこにもっとフォーカスを当てても面白かったのかなと思いつつ、変に飾り立てしない堅実なつくりがしっくり来る映画なんだろうなと思いつつ。
「暗数殺人」というタイトルの意味が興味深かった。
新聞に載りメディアに流れる事件の裏で、いったいどのくらいの人が誰にも知られず命を奪われ傷付けられているんだろう。