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サマーウォーズ評論(20)
ツッコミどころありすぎて書ききれない。
花札のシーンとか「こういうシーンを撮りたかったんだな」っていうのが見え見えだし、
映画を盛り上げるために自作自演の繰り返しだし、
とにかくキャラクターの行動のほとんどに必然性を感じない。
僕らのウォーゲームが素晴らしすぎただけに、それを再現しようとした気持ちはわかるが、本当に残念。
しかし細田監督の作品は雰囲気だけは素晴らしい。
少ないですが他の方のレビューにあるようにツッコミどころは沢山あります。
でも、音楽が観た後にも残ったり、色彩が美しかったと思います。
筋書き的には予想通りの展開です。痛快なほど、観てる間に内容は読めます。
但し、その表現力、音響、映像は予想の範囲を超えます。無駄とも言えるかもしれません。
夏希の設定がイマイチなのが残念だったと思います。
どう言う人物像にしたいのかがあやふやに見えました。ヒロインにしたいなら、侘助への想いは邪魔な設定、或いは描き方が良くなかったと思います。健二が行く事になったのはジャンケンでなく、夏希の想いだったような仕立てでないと、単に見る目もなく、男を渡り歩く体たらくの女にしか描写できてません。
時をかける少女を製作した細田守監督の作品だけに、期待値MAXで鑑賞した映画です。
その期待に違わない秀作でした。
典型的なアナログと思われている「家族の絆」をベースに、デジタル世界の危険性・問題性を洗い出して展開するストーリーは秀逸でした。
特に、中盤からは畳みかけるようなAIと戦う展開は見事。114分の上映時間も中だるみなく、あっという間に鑑賞することが出来ました。
正直、「デジタル空間の闘い」については、余り共感を抱くことが出来ません。所詮、「非現実社会」だから、と割り切って鑑賞してしまうからだと思います。この作品では、現実社会とのリンクがしっかりと明示されていた分、その違和感を減じることが出来た、感じています。