広島の架空都市・呉原を舞台に描き、「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された柚月裕子の同名小説を役所広司、松坂桃李、江口洋介らの出演で映画化。「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督がメガホンをとった。昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原で地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中、加古村組関連の金融会社社員が失踪する。所轄署に配属となった新人刑事・日岡秀一は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾とともに事件の捜査にあたるが、この失踪事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していく。ベテランのマル暴刑事・大上役を役所、日岡刑事役を松坂、尾谷組の若頭役を江口が演じるほか、真木よう子、中村獅童、ピエール瀧、竹野内豊、石橋蓮司ら豪華キャスト陣が脇を固める。
孤狼の血評論(20)
いわゆるヤクザ映画よろしく、死体やら傷やらの表現がエグすぎて、合わない人は目を背けたくなるようなシーンが多々あります
原作を読んでからの鑑賞でしたが、内容はかなり改変されてます
一例として、行きつけの小料理屋の晶子さんが出てこなくて、その「役割」をリコのママが引き受けてたりしてます
読者としては他にも色々と改変し過ぎて不満点があり過ぎてどうも...
続編(たぶん凶犬の眼かな?)を制作予定との事で本作品を鑑賞したんですが、ここからどうやって繋げていくのか...?
ちぐはぐな続編になってしまいそうな匂いがぷんぷんしてますが...果たして
昭和のなんでもあり感ヤバい!
今じゃタバコのポイ捨てシーンすら自粛だしw
松坂桃李、中村倫也の若手俳優の演技がキレキレでグッジョブなのに対し竹野内豊、江口洋介の若頭二人の演技が薄くて残念。でかい声で喚いても怖くないよw
まず主人公役所広司が粗暴ではありますが刑事であってヤクザじゃないんですよ。さらにそのバディ役の若い正義感の強い刑事が松坂桃李。ヤクザ映画は中高年しか感情移入できないという定義が崩れます。二人ともはまり役で後日(私もコロナ暇で過去観賞作品についてレビューしているのですが)映画賞とりまくりでした。内容もバイオレンスシーンも満載。ミステリー要素もある。濃密な仁侠映画の金字塔。続編も期待します。
広島・呉の撮影現場(養豚場のシーンなど)も訪れたが、目を見張ったのが爛々と輝く役者たちの眼差し、嬉々とした面持ち。それぞれがフルスロットルで撮影に臨んでいたことをうかがい知ることが出来、そしてまたそれが本編に無遠慮に映しこまれているのが素晴らしい。
続編はまだだろうか……。
映画は豚の飼育舎で男が拷問される場面で始まる。豚の肛門とそこから排泄される糞。糞は男の口に押し込まれる。冒頭にいきなり山場を一つ置く映画は多いが、いきなりのインパクトである。
虚栄と保身のため、性欲と食欲を満たすために、ぶつかり暴れる男たちが描かれる。自らの欲望を満たすために生きる生き方は、ヤクザも警察官もかわらない。
あるいは我々、たまたま昭和のヤクザでも警察官でもない者も、欲望の発動を日常生活を送るうえで必要なタガの範囲内におさめているだけで、生き方の本質は彼らとそう変わらないであろう。
暴力表現、人体損壊の描写は厳しいものがあるが、しかし、願望を抑圧されることが多い日々を送る者には、タガを振り切った彼らの姿はカタルシスとなるだろう。