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Daughters(ドーターズ)評論(1)
この手の作品は思っている以上に単調になったり、アート性に寄ったりと、バランスが難しいのです。しかしW主演の三吉彩花と阿部純子が生き生きとしていたり、映像としても人物や風景が色彩的にも美しかったりと、驚くくらいバランスが高いところを維持していました。
さらには衣装のバランスやインテリアのコントラストなど様々なこだわりを感じられ、(2019年の)3月、6月、10月と春、夏、秋冬の計18日間の撮影でこれだけのものが作れるのは、ファッションイベントの演出などを手掛けてきた津田肇監督のクリエイティブな才能に拠るものが大きいと思います。
東京の中目黒を拠点とし、沖縄のロケも効果的に使われていました。
主人公の2人は、同じような職種で似た波長を持ちルームシェアをしているのですが、ある事をきっかけに2人の日常に変化が訪れます。果たしてこの2人のバランスがどのように変化していくのか。
脚本も初監督作品としてはとても良いですが、場面転換の際に使われるポエム的な部分だけが少し深みが足りない気がしました。この辺りが狙い通りに響くと、より物語に重厚さを与え名作になったと思います。いずれにしても、とても初⻑編監督作品とは思えず、今後の作品が楽しみな監督になりました。