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宇宙からのメッセージ MESSAGE from SPACE評論(12)
現在、このビデオのためだけに我が家にはVHSを再生できるビデオデッキが維持されている(笑)
スターウォーズが大ヒットしたあの時代に星の数ほど出てきた「なんちゃってスターウォーズ」のひとつ。と片づけられるにはあまりに惜しい作品。
深作欣二が亡くなった時に、監督作品が連日放映されていたが、その時にも本作品は一瞥すら与えられず、監督や出演者全員にとって「なかったこと」になっている"黒歴史"のようだが、どうかすると本家スターウォーズを凌ぐのでは、と思うほど面白いんだってば(思い入れ補正が働いている可能性は大きいがww)
話は里見八犬伝をそのまま宇宙に持って行ったような感じ。「里見八犬伝やん」というツッコミさえ我慢すれば、いわば王道のストーリーなので面白くないはずはない。
特撮もこの時代としては驚異的、と思うほど頑張っている。劇場公開時のスターウォーズには決して負けてない。(現在鑑賞できるスターウォーズのソフトではCGによる補正が多大に施されているので、さすがに見劣りがするが)
何よりチャンバラは、全盛期の千葉真一と成田美樹夫だよ?面白くないはずがないじゃん!
ぶっちゃけ里見八犬伝と同じ組み合わせ、どころかこのカードは時代劇で何度見たか分からんほどの定番なので、SFチックな扮装をした千葉真一と成田美樹夫、というシーン自体が笑えてしまうのだが、その2人が超本格なチャンバラをするのもシュール感が一杯なのだが、それでもむちゃくちゃカッコいい。
VHSテープもそろそろ擦り切れてきたので、やはりDVDを買おうかと思っている今日この頃なのでした。
そんな中で個人的に一番面白かったのが、リアベの実を見つけ惑星ジルーシアを救うための勇者になるはずが、「戦争はしたくない」といって断る暴走族2人。両親を戦争で亡くしてるためだが、しかも勇者になることを勧めるメイアなんて戦争で財を成した大金持ちだ。一筋縄ではいかない勇者たち。しかも終盤になるまで8人揃うかどうかも危ぶまれているのも面白い!よく考えたら200万光年先まで行って戦争してくるなんてバカバカしい話だ(笑)。
特撮は当時にしては上出来だったし、遊び心をたっぷりすぎるほど込めなければ、もっと評価されていたのかもしれない。
#宇宙からのメッセージ 鑑賞
日本版の #スターウォーズ 完全な便乗作品
アメリカでも公開され、SFブームに乗って結構ヒットしたらしい
ルークが #真田広之 または #千葉真一
レイア姫が #志穂美悦子
ハン・ソロが #ビック・モロー
皇帝が #成田三樹夫
ダースベイダーが #佐藤充 か?
こちらも先日見た『惑星大戦争』同様、『スター・ウォーズ』の日本公開前に作ってしまえ!…の便乗作品。
ガバナス帝国に侵略された惑星ジルーシア。
この宇宙の危機を救うべく、ジルーシアの奇跡“リアベの実”に導かれ、8人の勇者が集う…。
本作もチープさやツッコミ所はいっぱい。
まず、敵の描写。銀塗りフェイスは『惑星大戦争』の青塗りフェイスとまるで変わらない。日本で“帝国軍”をやろうとすると、どうして“欽ちゃんの仮装大賞”になってしまうのでしょう!?
特撮/合成面では、序盤で若い主人公たちが宇宙蛍を捕まえようとする宇宙遊泳シーンの合成の酷さに絶句。
何より失笑禁じ得ないのは…
何もかもメチャ『SW』!
銀河を支配する“帝国軍”みたいな悪の勢力とか、
対する若気と血気盛んな主人公パイロットとか、勇ましいお姫様とか、一線を退いた老将とか、キュートなロボットとか、
主人公パイロットたちが乗る宇宙船内やアングルに至るまで、ミレニアム・ファルコンやん!
“リアベの実”の音楽が“スカイウォーカーのテーマ”そっくり!
クライマックス、要塞惑星の動力路に戦闘機で突っ込んで破壊する作戦なんて、まんま!
…とかとかとか。
悪く言えば『SW』の劣化パクリ、でも良く言えば『惑星大戦争』なんかよりかはずっと和製『SW』。
渡米してちゃんと『SW』を鑑賞し、研究や意識や対抗や影響など、その頑張りぶりが窺える。
チープとは言ったものの、その酷い合成シーン以外は、特撮もなかなか。
特撮の醍醐味や見せ場もたっぷり。
巨費を投じ、『惑星大戦争』より製作期間を掛けられた甲斐がある。
(よく米アカデミー視覚効果賞にノミネートされたと言われているが、正しくはサターン賞外国語映画賞ノミネートである)
話もそう悪くはない。それもその筈、
『SW』が黒澤明の『隠し砦の三悪人』をベースにしているのなら、こちらは『里見八犬伝』がベース。日本人には馴染み易いのかも。
…と言っても、自分は『里見八犬伝』の話をよく知らぬが、
『里見八犬伝』云々と言うより、数奇な縁か運命か、導かれ集い戦う“名も無き英雄譚”は、『SW』にも影響与えた『七人の侍』的でもあって、王道だがやっぱり好きな設定。
主人公パイロットたちが“戦争を知らない若者”だったり、8人の中にガバナスのスパイが居たり、果たして8人目の勇者は?…など、それなりに飽きさせない要素や展開を織り込んでいる。
キャストでは、
真田広之が若い、若い!
志保美悦子は美貌だけはレイア姫に勝っている(と思う)。
千葉真一vs成田三樹夫のチャンバラ対決はファンには堪らない。
天本英世が敵ボスの母親役(!!)を怪演。
ハリウッドから招いたヴィック・モローが渋い…と感じたのは、ショーン・コネリーの吹替で知られる若山弦蔵氏の声が渋いからかな?
それにしても、8人の勇者の中で、明らかに何の役にも立ってない関西弁のキャラが…。
和製『SW』もしくは便乗作品として、『惑星大戦争』派か本作派か、よく分かれるそうだが、
断然こちら派!
辛口で書き始めたが、実はそこそこ楽しめ、それこそ『惑星大戦争』なんかよりずっとマシ!
(何度も『惑星大戦争』を引き合いにして申し訳ないが…)
そして、監督が意表を付く人選、深作欣二!
『復活の日』もSFだが、こちらキャリア唯一の本格スペース・オペラ!