イタリアのグァルティエロ・ヤコペッティ監督が、世界各地の野蛮で残酷な奇習・風習を記録した異色ドキュメンタリー。文明国でのマンハント、ニューギニアで豚に乳を与える人間、台北の犬肉レストラン、ニューヨークの高級ゲテモノレストラン、東京温泉の男性全身美容など、演出や“やらせ”も多用した過激でいかがわしい内容が注目を集め、世界中で大ヒットを記録。その後も同じテイストの作品が大量生産され、“モンド映画”というジャンルを築き上げた。1962年に初公開。2021年、ヤコペッティの没後10年企画として、ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2021」にて、HDニューマスター&オリジナルイタリア語完全版でリバイバル上映。
世界残酷物語評論(2)
原爆による影響で島に住めなくなった鳥の映像を見ると、むしろ人間批判しているような内容を描いたり、一方では生きている喜びを感じる人間賛歌の映像もある。犬を食べる台湾と犬を人間と同じように埋葬するアメリカ。マニアックな芸術に対する風刺もあったり、人間の愚かしい部分をも冗談っぽく訴えてくる。
最後のエピソード、飛行機が飛ぶのを眺めるアボリジニの映像は、未開の現地人に対する憐れみととるべきか、ただ現実を訴えているだけなのか・・・疑問に感じることも多い。しかし、モンド映画の原点として、エポックメイキングな映画であった事実により評価できる。
今だからこそ逆にくるところがあった。
ドキュメンタリーでありながらカメラワークや、音楽、映像が素晴らしかった。
本当にこの地球上で起こっていることなのだから目を背けてはいけない、みることで初めてその事について自分の考えを持ち、どう対応すればよいかわかってくる。
今の日本は大人にも子どもにも甘やかして偽の世界を見せている気がする。みんな子ども扱いを受けている。
だから日本人は子どもっぽいところがあるのだと思う。