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硫黄島(1959) プロット 日本 10月21日 1959 台灣上映
硫黄島からの手紙 プロット アメリカ 12月09日 2006 台灣上映
硫黄島 地獄の36日間 プロット アメリカ 01月02日 2007 台灣上映
砂の惑星 プロット アメリカ 03月01日 1985 台灣上映
砂丘の敵 プロット アメリカ 03月29日 1952 台灣上映
砂漠の鼠 プロット アメリカ 11月21日 1953 台灣上映
硫黄島の砂評論(5)
この島を失えば日本本土は縦横無尽に空襲を受け火の海となってしまう
それほど重要な戦いで日米が死力を尽くして激突した
だからクリント・イーストウッド監督作品にも取り上げられたほどだが、やはり本作に尽きる
というよりイーストウッド監督の硫黄島の2作品は本作があってこそのスピンオフ作品であるとすら言える
超有名な星条旗の掲揚写真を再現してみせるシーンの見事さはそれまでの登場人物全ての苦悩はここに結実し昇華したというシンボリックなシーンで余りにも見事だった
中盤のタラワの戦いはその前哨戦で余りの損害の大きさに米軍が驚愕した戦いでこれも有名な戦い
本作はこの二つの戦いを描くが、史上最大の作戦等の戦記映画とは全く異なる
戦況の推移などは全く描かれない
描くテーマは冒頭のタイトルバッグでsemper fidelis(常に忠実)のモットーを頂く合衆国海兵隊の紋章を背景に流れ、またエンドロールの時にも流れる合衆国海兵隊の隊歌の歌詞の通り、どのような困難にも耐え、兵士個々の悩みや問題も乗り越えて米国の理想を達成するのだといことだ
確かに表面的にはこのような紋切り型で評価されるだろう
しかし本作の意義は政治性の論議ではない、人間として大人になるということの普遍性なのだと思う
子どものような甘えた個人主義を乗り越えて責任を果たす大人になれということ
ラストシーンでのトーマスとコンウェイが成長した姿こそが本作のメッセージだ
軍曹というのは会社でいえば主任程度
年上の万年平社員や新入社員や派遣さんやパートさん、バイト達を率いて上から落ちて来る無理難題をなんとかやりくりして辻褄合わせていく
もちろん日々の目標予算は高くなかなか達成できない
人員不足は深刻でシフトが回らない
部下達も気のいい奴もいるが生意気で反抗的な奴もいる
本人の為を思って厳しく指導や注意、怒ったりもするが、やればやるほど部下からは慕われない
今ならパワハラの心配もしないといけない
もちろん戦争なのだからミスは即座死に直結する
本人だけでなく仲間も巻き込むのだ
会社の主任とはレベルが違う
だからその重圧はどのくらいなものなのだろう
軍曹だけでなく兵士達もしかりだ
それでもこの平和な日常の日々の中で、会社でこのような立場に今いる人、その職位の経験を積んだ人はもちろん、その部下の立場にある人など様々の立場でたくさん共感できるシーンがとても多い
こそが普遍性を持った映画なのだと思う
ジョン・ウェインは正にはまり役だった
今でいうシングルマザーとの出会いのエピソードは心に残る名シーンだ
戦い殺される相手は私達の祖父や曾祖父だ
このような戦いを経て私達は21世紀の今平和な暮らしがあるのだということは忘れないでいたい
2018年、陸上自衛隊は水陸機動団という、自衛隊版の海兵隊を設立した
フィリピンや米国での海外演習では、合衆国海兵隊との共同訓練も行っているというニュースも聞く
このような死闘を繰り広げた両国がいまでは肩を並べて訓練をする
それほど時は流れたのだ
戦争映画の枠を超えた名作だ
そして海兵隊とは何か、何故今の日本に必要のなのかを知ることができるだけでも本作を観る意義はある
ピート・コンウェイは休暇中のダンスパーティで知り合った女の子に一目ぼれ。あっという間に結婚にこぎつけるという、ラブロマンス。それも44時間後には戦地へ向かうという現実。銃剣が苦手なので隊を変わりたいという兵士に対して、ダンによって練習させるというストライカー軍曹。鬼軍曹というよりは変わり者軍曹なのだ。
最初の上陸はタラワ。弾が切れたので調達に出たトーマスはコーヒーを飲んで休息。その間に仲間が殺されてしまうのだ。その事実を知ったストライカーは怒り、トーマスと殴りあうが、彼らの間には過去に密告されたという確執があった。
ハワイでの休暇を終え、次の上陸作戦は硫黄島。兵士たちはみな死ぬのではないかと予感する。数人が命を落としたストライカーの分隊。擂鉢山の頂上を目指す彼らは意気揚揚としていたが、息をついた瞬間ストライカーは撃たれて戦死・・・
米海兵隊の全面協力の元に作られた映画なので、水陸両用船やタンクは実物。戦艦や戦闘機も実物のため、かなりリアルに描かれている。しかし、タラワの激戦地に圧倒されたものの硫黄島の描写がそれよりも少ないような気がした。もっと戦死者を出したという映像を使えば反戦メッセージも感じられたかもしれないが・・・
1952年公開のアメリカ戦争映画。
1949年の米国映画で、ジョンウエイン主演であり、西部劇の様な勇ましい戦争映画かと予想したが、硫黄島の戦いの過酷さを、きちんと描写しており、好感を持った。リアルということで、本好きのインテリ新米兵はあっさりと撃たれ死し、ジョンウエイン演ずる軍曹も国旗立てる前にあっさりと殺られてしまう。親しい仲間も日本兵に肉弾戦で襲われ殺されたりする。
信念もあるが、偉そうで、暴力的で酒浸りで家族にも愛想つかれたらしい軍曹のキャラクター設定は米国映画の伝統通り、とても粋である。軍曹に殴られた部下が、軍法会議にかけられない様に、柔道の練習と偽証するエピソードも、憎まれている様で、実は部下に慕われていることを示し効果的。
まあ、戦争映画としては、きちんと戦いに備えてハードな訓練をしてること、戦いと闘いの間にニューギニアとハワイで一定期間休暇取れ、結婚及び子作りまでできるローテーションシステムに、日本の軍隊との違いを感じ、非常に興味深かった。どうやら、日本国は戦争へのアプローチ法の思考能力的に既に負けていたということか。
魅力的な女性登場エピソードは有るものの、日本の出来の悪い戦争ものと異なり、悲壮感や使命感、お涙頂戴エピソードも皆無なのは、嬉しかった。