「回転木馬」「王様と私」に続くロジャース=ハマースタインによるミュージカルの映画化。70ミリ幅フィルムのトッド・AOスクリーン・システムで公開される。ブロードウェイのシアター・ギルドで長期連続公演されたものからソニア・レヴィーンとウィリアム・ルドウィグが共同で脚本執筆、「地上より永遠に」のフレッド・ジンネマンが監督、ロバート・サーティースが撮影を担当している。舞踊監督はC・B・デミルの姪アグネス・デミル女史、編曲はロバート・ラッセル・ベネット、音楽指揮と監督はジェイ・ブラックトン、背景音楽はアドルフ・ドイッチェが各々担当する。出演は「回転木馬」のゴードン・マックレー=シャーリー・ジョーンズのコンビに加えて「見知らぬ人でなく」のグロリア・グレアム、「二人でお茶を」のジーン・ネルソン、「攻撃」のエディ・アルバート、「勝利の園」のシャーロット・グリーンウッド、「地獄の翼」のロッド・スタイガー、「ママは大学一年生」のバーバラ・ローレンスなど。1955年アカデミー・ミュージカル映画音楽賞と録音賞を受賞した。
オクラホマ!評論(2)
シリアスな作品が多いこの名匠にしては珍しいジャンルだが(オスカーを受賞した『地上より永遠に』の次作!)、作品もユニークな西部ミュージカル。
カウボーイと牧場娘の恋。
周囲の恋模様や恋敵、一応西部劇らしく男と男の決闘(と言うほどのものではないが)…。
ご都合主義を経て、二人は結ばれ、ハッピーエンド。
西部開拓やそれに携わった先人たちというテーマも込められているのだろうが、話自体は他愛ない。
が、開幕早々、画面いっぱい広がる晴れ渡った青空と雄大な緑の大地。
その下を馬で行く。
そして、たっぷり織り込まれた楽曲の数々とダンス。
“なんて素晴らしい映画”とは言い難いが、“ほどよく心地よい映画”。