タルコフスキー・ファイルin「サクリファイス」
プロット
スウェーデン
03月18日 1989 台灣上映
クロスロード(1986)
プロット
アメリカ
04月18日 1987 台灣上映
ヒッチャー(1986)
プロット
アメリカ
01月08日 2021 台灣上映
ウォンテッド(1986)
プロット
アメリカ
05月16日 1987 台灣上映
ソウル(1986)
プロット
香港
10月09日 1988 台灣上映
タキシード(1986)
プロット
フランス
02月16日 1991 台灣上映
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サクリファイス(1986)評論(11)
タルコフスキー監督らしい重厚な芸術的映像美が究極の域にまで達している。終始ゆったりとした長回しが印象的。ゆっくりとじっくりと降り注ぐような息を飲む美しいシーン達が至極絶品。どれも思慮深くて興味深い劇中の会話、予想を遥かに超えてくるストーリー展開にも圧倒され、その世界に引き込まれた。
あるひとつの側面から考えてみれば、タルコフスキー監督版「生きる(黒澤明監督)」と捉えることが出来る。たとえ周りに否定され、見放されても、嘲られ、狂人だと思われても、ひたすら己を捧げて、こつこつと周りに愛情を注ぎ続ければ、いずれ自分自身の人生にも光りが宿り、生が蘇る。テーマとメッセージ共にタルコフスキー監督が愛した黒澤映画のひとつである「生きる」へと通ずるものを感じた。本作における核戦争勃発が「生きる」における末期癌余命宣告。そしてタルコフスキー監督自身が本作の撮影時に末期の肺癌におかされていたというのだから、本作撮影時のタルコフスキー監督の生き様自体がもはや黒澤監督の「生きる」とリンクする。その結果必然的に、本作における核戦争勃発とタルコフスキー監督の受けた末期癌宣告を結びつけずにはいられなかった。タルコフスキー監督は最終的に本作を息子に捧げている。父アルセーニイと同様にかつて家族を捨てたアンドレイが、死を目の前にして、息子への思いを自身の流儀でもある芸術という形にして生を吹き込んだ。自身も父アルセーニイから詩を通して受け継いだ魂を、同じく芸術という形で、しかも芸術としてはこれ以上無い高尚な形で遺した。タルコフスキー家に脈々と流れる芸術家の血の集大成と言っても過言ではない傑作だと思う。最後のテロップでは「希望と確信をもって」と力強く息子に捧げている。父として息子に残した最後の大きい思いに胸が熱くなった。
そして人類の核兵器所持に対する警告や、あるがままの自然に手を加えることの愚かさなど、タルコフスキー監督のメッセージに深く共感できるものがあった