おなじみのアレクサンドル・デュマの小説を、若手俳優の共演で映画化した剣劇冒険ロマン。監督は「飛べないアヒル」のスティーブン・ヘレク。製作は「ホーム・アローン2」のジョー・ロスと「フーズ・ザット・ガール」のロジャー・バーンバウムで、本作は彼らが設立したキャラヴァン・ピクチャーズの第1回作品。脚本はデイヴィッド・ローリー、撮影は「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のディーン・セムラー。音楽は「ブルー・アイス」のマイケル・ケイメンで、主題歌『オール・フォー・ラヴ』をスティング、ブライアン・アダムス、ロッド・スチュアートの3人が歌う。美術はブルーノ・セサリ。主演は「ホット・ショット2」のチャーリー・シーン、「失踪
妄想は究極の凶器」のキーファー・サザーランド、「幸福の条件」のオリヴァー・プラット、「セント・オブ・ウーマン
夢の香り」のクリス・オドネル。
三銃士(1993)評論(2)
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 50
ビジュアル: 75
音楽: 70
剣を一振りする度にいちいちかっこいい科白を喋ってみたりとか、そして悪役も行動の度にいかにも悪そうな科白を喋ってみたりとか、何かにつけてやることが大仰で芝居がかっている。場面場面で音楽は流れ続けるし、とにかく登場人物の動きを大袈裟に見せつけるというようなわざとらしさが全編に渡って抜けない。
アメリカ的な勧善懲悪になっていて物語も単純で、この辺りはディズニーらしい。多勢に無勢の圧倒的不利の状態でも、恐れ知らずの強い剣士は華麗に舞って、その他大勢のやられ役の敵をいとも簡単になぎ倒す。そのような演出は水戸黄門の最後の場面の助さん格さんのようで、悪い意味の安心感があって緊張感が少ない。
冒険活劇好きの子供や少年ならばこれでもいいが、ちょっと本格的な三銃士を期待してみると肩透かしをくった気になる。俳優やセットは悪くないのだが、演出からして大人が見るにはこの映画の対象年齢がちょっと下すぎるかな。
子供の頃に初めて観てドハマりした三銃士。確か中学生ぐらいだったので、そこから原作小説も読みだしたのですが、古くさい文体にとっても読むのに苦労した記憶があります。だってなぁ、原作の出版が1844年なんで文体古いねん。日本だったら江戸時代だよ!それでもダルタニアンと三銃士が一時間おきに決闘の約束取り付けたりするのは原作通り。そんな古い時代に良く考え付いたものだ。
映画はオープニングから上手いですよね。リシュリュー枢機卿の登場シーンも不気味ですし。そしてダルタニアンが出てきて、いきなり決闘してて強さがわかるシーンになってる。そつのない上手い流れになっています。映画全編を通してもダルタニアンを含めアトス、アラニス、ポルトスそれぞれに見せ場があり、言うならリシュリューも意外と出番が多かった。ちゃんと色んなキャラクターをまんべんなく登場させる事ができるって、流石ディズニー、脚本が上手いですね。
当時のクリス・オドネルがメッチャ美形‼️キファー・サザーランド、チャーリー・シーンと今ではオッサンな俳優さんたちがとっても若々しいです。
原作みたいにコンスタンスが殺されたり、ミレディーが斬首されたりしないのですが、個人的にはこっちの三銃士の方が健康的で好みです。冒険活劇を作ろうとして、ちゃんと注文通り冒険活劇を作ってくるディズニーってやっぱりレベル高いですよね。原作と違って子供に見せたい三銃士でした。