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シティヒート評論(3)
舞台となる禁酒法末期の30年代はギャング映画の黄金期、それに正義感の警部と私立探偵が絡めば王道のハードボイルド映画と期待が膨らむのだが、あまりにも名作が作られたのでなぞる訳にもいかず舞台とプロットだけ借りてスター方式のアクション・コメディに趣向を変えたのだろう。ストーリーはありきたりなので見せ場は2大スターの絡みなのだが、こんなに締まりがないというか緊迫感の感じられないギャング映画は珍しい。
娼館での珍騒動、赤頭巾ちやんの狼の扮装までして笑いに走るバート・レイノルズからは私立探偵の哀愁のかけらも感じられない、やっぱり観客の目は確かなようで第五回ラジー賞最低男優賞にノミネート。突っ込み役のイーストウッドも俺はシリアス担当と終始寡黙で悪態をつくばかりなのでコンビの妙味も空中分解。クリントがピアノを弾くシーンがあると言うので心待ちにしていたがまたもやレイノルズが馬鹿騒ぎを起こして台無し、お互いに潰し合うなら組まなければよかったのに・・・。まあコメディアン志向のバート・レイノルズですから王道のハードボイルドを期待する方が浅はかだったのかもしれません、爆弾落ちは唯一すっきりしたシーンでした。
レイノルズにイーストウッドという大物二人に加えて、秘書役のアディを演じたジェーン・アレクサンダーが味のあるいい演技をしていた。金策に詰まったレイノルズのために三か月間無給で働き、大家が来れば家賃を払い忘れただけという演技をし、ギャングが来ても動揺することなくレイノルズを助け、イーストウッドと結婚と人生の話をする。男たちを助けるしっかりものでありながら、超然として恩着せがましくない。また初めて見たときは気づかなかったが、歌手のジニー役を「フラッシュ・ダンス」で当時有名だったアイリーン・キャラが演じていてその声を聞かせてくれていた。だが敵役はただのやられ役になってしまっていた。
物語はお決まりのよくあるものだし、短距離で激しい銃撃戦をしている割には弾が当たらないのは不自然だったりする。だが30年代らしい様子のハードボイルドと、それに時々入ってくる滑稽な場面が醸し出す雰囲気の中で、味のある出演陣が活躍する姿が楽しめた。
すごく好きな俳優さんだったけど、こうも毎日観てると、どの作品の彼も(設定は違えど)大して変わらないキャラクターな気がしてきてお腹いっぱい。
だってどの作品も二枚目で、寡黙で、ちょっと悪いとこがあって、アメリカンジョークをとばすんだもん。。。どの作品でもクリントになっちゃうという意味では、日本でいうキムタクみたいなものなのかな。
助演男優の方の演技も良かったので、時間が短く感じられました。
家族でも鑑賞できそう☆
最後はスッキリ終わります
(*^□^*)オススメ