24年間にわたるヒット・ミュージカル・プレイ「ショウ・ボート」は、エドナ・ファーバーのベスト・セラー小説に基づいて、ジェローム・カーン=オスカー・ハマースタイン2世のコンビの作によるものだが、その映画化はこの作品が3度目。「アニーよ銃をとれ」と同じくアーサー・フリードが製作しジョージ・シドニーが監督したテクニカラー版1951年度作品。脚色は「ジキル博士とハイド氏(1941)」のジョン・リー・メイン、撮影のチャールズ・ロシャー、舞台振付けのロバート・アルトン、音楽監督のアドルフ・ドイッチェは夫々「アニーよ銃をとれ」と同じスタッフ。配役はマグノリアに「花の合唱(コーラス)」のキャスリン・グレイソン、ジュリーに「パンドラ」のエヴァ・ガードナー、ゲイロードに「アニーよ銃をとれ」のハワード・キール、アンディ船長にジョウ・E・ブラウン。その他アグネス・ムアヘッド「サマーホリディ」、ダンスチームのチャンピオン、ロバート・スターリング「渓谷の銃声」、アデール・ジャーゲンス「千一夜物語」らが出演する。
ショウ・ボート(1951)評論(2)
冒頭のショウボートが町に近づいてくると、その音楽が聞こえると綿畑で忙しく働く黒人達も、南部の邸宅に住まう白人の男女も、一斉にそちらを向いて駆け寄ってしまう
歌と特にダンスに米国のショウビズの底力の凄さがひしひしと感じる
ショー仕立てで興行の宣伝をしながら接岸するシーンはもう圧巻
シカゴのキャバレーでの年越しショーでの夫婦でのダンスもそのレベルの高さに目を見開きます
振付はロバート・アルトン
彼は映画イースターパレードでジュディガーランド、フレッドアステア、アンミラーという世界最高、史上最高の芸達者に振付した超絶的な振付師
またそれを演じ踊り歌う出演者達の芸の凄さ
笑顔ひとつからして違う
あんな満開の笑顔は常人には決してできない
物凄い練習し経験を積んだプロ中のプロだけができるレベルの笑顔だ
この歌とダンス、そして笑顔
ディズニーランドやシーでその手本にされているのは本作をみたなら直ぐに分かるだろう
演技もまた素晴らしい
特にショウボートのホークス船長役の演技は心に残った
胸糞悪い黒人差別問題も当時の南部の有り様として物語の大事な事件として起こる
ショウボートの中では芸が出来れば皆平等なのに
甲板員兼劇団員の黒人のジョーが、陸の辛い黒人の立場をOl' Man Riverの歌で代弁する
この歌はミュージカル史上でも有名な歌
父なる川ミシシッピ
字幕のオールマンは年寄りの意味old man
何が起ころうとミシシッピ川はただ流れるのみなのだ
冒頭の黒人の子供が水はどこから来るの?と尋ねるのにつながっている
大団円には頬を感動の涙が流れていました