サンドラの小さな家

夫から逃れ娘二人と家をでたサンドラ
娘と暮らすため
知り合った仲間の助けを借り
自分で家を建てる
.
原題『Herself』には
自分自身で家を建てるDo it yourself
家を建てることで自分自身の人生をもリビルドし自分自身(herself)を取り戻す
｢自分自身で｣｢自分らしくなる｣
二つの意味が込められているそうです
アイルランド ダブリンの社会状況
住宅問題に触れながらも
｢助けることで自分達も助けられた｣
『メハル』という言葉が示す
アイルランド·ケルトの思想
支え合う人々の温かさが感じられる作品

暖かいホームドラマ見ているようで安らいだ。DV の夫から逃れるが娘との交流がしっかり心の支えになっているのが救い。ただ、雇い主や家を建てるボランティア仲間の心情の描きが弱い。よって話に深みがない。そこは残念。

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"Great Famine"と呼ばれた19世紀中頃にアイルランド島で起こったジャガイモの病気によって食料の枯渇がもたらした未曾有の大飢饉．．．
島民の半分もの人たちが病気になったり、餓死 したりした世紀の大飢饉なのにイギリス政府はアイルランドから食料の輸出を命じ、より餓死者をだした非道を絵に描いたような行いがあった。その後のイギリスによるアイルランド人への差別的行為が歴史的に根深いイギリスとの対立を考えると今は表向きは関係が良好なのかもしれない。
ジャガイモをめぐっては、昔、ドイツでもジャガイモがなかった時代は度重なる飢饉に見舞われ、EUをけん引し、先進国の代表がかつてはカ二バリズムをしていた暗い歴史があった。ただし、日本も人の事は言えないけどのお話．．．

I understand Molly has witnesses something she shouldn't, but I
cannot condone parental alienation.
映画の弾けっぷりから、ポップコーン・ボール・フィルムと称されたフィリダ・ロイド監督のデビュー作『マンマ・ミーア！』をご覧になった方なら、この映画にも流れている人としての人情や母娘の深い絆をコミカルにしかもハートウォーミングな彼女の演出が冴えに冴えわたっていたのを思い出す。チョピリ映画としては、こじんまりはしていても．．．

Do you want to hear a bedtime story about Saint Brigid? So,
Brigid prays to God and says, "Will you make the king of Ireland's
heart all soft? 'Cause it's gone icy and like a rock or something."
And God did, and she smiled and said to the king, "Will you give
me as much land as this cloak will cover?" 'Cause she was wearing
this cloak, just normal size, right? She bends down and the cloak is
magic, with the Holy God Spirit in it, and she tells her four sisters
with her．．．They were like her sidekicks, right? They take a corner
each and spread it out all over the land, and it goes out for miles.
It's just like a miracle. And then the king says, "Well, Brigid, what's
the story? How'd you do that?" And Brigid says, "It's 'cause you're
being so stingy with all the poor people in your land." And he says,
"All right, then, you can have loads of me land." And she gets it and
starts a convent and helps all the people in the town. They start a
farm where they made jam with the berries on the land. Hmm, like
a little community center type of thing. But then everyone was grand.
-How do you remember all that?
I don't like the way my teacher says it, so I remember it my own way.
She's got a real moany voice.
アイルランドの守護聖人の一人であり、また親に恵まれない子供たちの守護聖人でもあるキルデアの聖ブリギッド．．．　娘のエマ役のルビー・ローズ・オハラさんがこの長いラインを読み上げた時、彼女の演技をしているのか？していないのか？分からないことの素晴らしさは、もう一人の娘モリーを演じたモリー・マッキャンさんにも言える事で拍手ものとなっている。彼女二人が、原案・脚本・主演と一人三役の大活躍のママ役のクレア・ダンさんのイメージのアップにも繋がっている。

イギリスの巨匠ケン・ローチ監督が専門とする社会的リアリズムのように激しい家庭内暴力のシーンから始まり、アイルランドの社会が織りなすホームレスへの豊かでない支援などを下敷きに可愛い二人の娘の住家となり、セーフティ・ネットに頼らず三人が安全に暮らせる場所をセルフビルドの過程で少なからず、人の根底にある人をいたわる心が、集まり、アイルランドの守護聖人の恵まれない子供たちを守ったように、この映画『サンドラの小さな家』では、優しく描かれている。
とにかく、サンドラの娘さんの二人はピカイチでした。

“I also had a moment where a friend of mine was in a situation
in Dublin where she had to declare herself homeless with three
children,” said Dunne. “There was this all this stuff convoluting
around my mind and I basically got a flash through my head of
like ‘imagine a woman could build a house for herself and just
go to the side of the usual beaten track of trying to get one
through. So I literally just googled ‘self-build’, ‘Ireland, ‘cheap’
and that was the beginning of everything. Then I discovered
Dominic Stevens, the real architect who actually did this for them.”
サンダンス・フィルム・フェスティバルにおけるエンタメ専門サイトDEADLINEのインタビューで主人公サンドラを演じ、脚本家の一人でもあるクレア・ダンが脚本を書くきっかけを語っていた。
彼女の友人で3人の子供を持つ母親がホームレスになる事をクレア・ダンに明らかにしたことで発想が生まれている。

クレア・ダンの最も目立った特徴として、目の下の母斑がある。最初、DV野郎から受けた傷をリアルに再現していると思っていたけど．．．　それは彼女の右目の下にある茶色がかった、塗られたようなマークとなっている。多くの人は、彼女の目がどうしてそうなったのか、そして何故そうなったかについて質問をしている。
彼女はそれを治すつもりはないみたいで、それが実際に何であるかを明らかにしている。
多くの人が自分のあざが幸運の象徴であると信じていることとは逆に女性がそれを幸運と見なすかどうかわからない。しかし、彼女はバース・マークが彼女と他人との違いであるだけだと述べていた。それと同時に身体的障がいのメタファーとしての特徴もあるようにも見受けられる。

本当の母娘のようで、これぞ三位一体的映画となっていて、ラストがその象徴となっている。

そんなに良くなくて、そんなに悪くもなくて、ごく標準の映画感覚を呼び覚ますといった感じでした。子役のお二人は頑張って好演でしたが、親の不仲に苛まれる筋書きに出演するのはあまり良くないなあと思ってしまいます。現代映画は、随所に派手で過激なシチュエーションを盛り込まざるを得ないところが辛い面ありと言えるかもしれません。

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ユーロライブにて試写会鑑賞。
2人の娘を持つ主人公のサンドラは夫から激しい暴力被害を受けてる所からストーリーは始まる。
警察の介入により法的にサンドラと娘たちは夫と別々で暮らすことが認められ自宅から離れるが、金銭的な余裕もなくホテル暮らしが続く。
2人の娘の面倒も見ながらサンドラは昼夜ともに働かなくてはいけない環境となりとても苦労している姿が描かれる。
そんな厳しい生活の中で低予算で自分で自宅を出る事ができることをネットで知り自分もマイホームを建築することを決断する。
もちろん技術も知識もないわけだから1人では無理である。
そこで同じ街に住む人たちがサンドラの現状を理解し協力する事を決断し半ばボランティアでマイホーム作りを協力する事となる。
そして勤務先の雇い主の人からも事情を理解され土地を譲られ資金援助も受けることとなる。
この辺は主人公に都合が良い展開が続くがまぁ周囲の優しさ、そして優しい言葉が魅力的に描かれている。

そこから家を建築するのがストーリーと主となるが建築作業にスポットを当てるというよりかは、家を作りながら娘たちの面倒も見て、そして生活費を稼ぐために働く…加えて夫との娘の親権問題も発生し、行政の手続きも行いと自分の居場所を確立するのに必死なサンドラの姿が終始描かれる。時には一人で抱えきれずパンクしかけても娘の存在や仲間の存在が優しく描かれサンドラを立ち直らせてくれる。

最後は家を完成させたが完成直後に夫に放火されあっという間に家は塵となってしまう。
夫は逮捕され刑期も長いことから、娘の親権問題をはじめとした夫からの圧力が解放されようやく自由となり再度新しい一歩を踏みはじめるところで作品は終わる。

ストーリーとしては上でも書いた通り少しサンドラに都合の良い展開が続き飽きを感じる。
裁判シーンとかは特に感じた。
ただこの作品の良いところは人の優しさや、DV夫から離れる事ができてもさらに苦労するサンドラの姿、そして娘の健気な姿がとても美しく描かれた作品である。特に娘のセリフが妙にリアリティがあったりして心を擽られる。

物凄く心に響く作品とまではいかなかったが心が少し温まるハートフルな作品ではあった。