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デイジー・ミラー評論(3)
『デイジー・ミラー』(1974)
時代と地域によって『奔放』の意味や程度は変わるが、奔放な女に惚れてしまった真面目な男が、女が別の男との交流しているのをやきもきしたり、女と口論のようにうまく付き合えないうちに、女が感染症か何かで死んでしまい、男が喪失感を味わうという話だったと思うが、主役のシビル・シェパードという女優が相当の美人だったというのはわかったが、彼女も、この映画の監督も、性的に文字通りの奔放で、何人もの異性を取り換えていたらしいのが、気にいらないこうした人達の多い、業界なのか国なのか、美しい女が突然死んでしまう喪失感という面を出したかったのかも知れないが、淡々としていてあまり面白くはなかった。彼女の奔放さを、周囲の年上の女性たちは嫌うが、男はそれを素直とか無邪気とか捉えて食い違う。そうした奔放と言われた女にしても、別の男と性愛的にまじりあったわけでもなく、その後の欧米や、真似したのかもともとそうだったのか日本のほうが乱交状態な人は、乱交である。奔放どころではない。
彼女が二股交際をする、イタリア、アメリカ男性が あまり魅力的ではないので、話は新大陸と旧大陸の価値観の違いの問題に、クローズアップされる
そして ほとんどがアメリカ俳優なので、やや大味な感じがする
デイジーと社交界の強い対比が、あまり感じられない
アメリカの映画監督も 一度、ヨーロッパを舞台にしたコスチューム物を撮りたいのだろうか?
奔放(無邪気)というより、大雑把なアメリカ女性を シェパードが好演(地?)していて、旧大陸の人々の方に 思わず肩入れしてしまった
「郷に入っては 郷に従え」という言葉を知らない、デイジーは大国的感性の持ち主でもある
(言いたい事は 判るけどね!デイジーの弟も 全く可愛げの無い、クソガキである!)
19世紀後半、アメリカが ヨーロッパと肩を並べる強国になり、文化の衝突が多発する(今の中国だね)
これを 鋭く観察し、小説にしたのが ヘンリー・ジェイムスである
彼の映画化が上手いのが、ジェームス・アイボリー監督のプロダクションで、それと比較しちゃうと、見劣りするなぁ〜
恋をしてしまった男は逃れられないのかな。