嘆きのテレーズ劇情

「愛人ジュリエット」のマルセル・カルネが一九五二年に監督した作品で、昨年ヴェニス映画祭に出品され、銀獅子賞を獲得した。原作はエミール・ゾラの『テレーズ・ラカン』。カルネと「裁きは終わりぬ」のシャルル・スパークが脚色し、スパークが台詞を担当した。撮影は「七つの大罪」のロジェ・ユベール、音楽は「めぐりあい」のモーリス・ティリエ。シモーヌ・シニョレ(「肉体の冠」)のテレーズを中心に、「オリーヴの下に平和はない」のラフ・ヴァローネ、「巴里の空の下セーヌは流れる」のシルヴィー、「肉体の冠」のローラン・ルザッフル、舞台出のジャク・デュビイらが共演。

嘆きのテレーズ演員

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嘆きのテレーズ評論(6)

Kmopghssxni
Kmopghssxni
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イタリア男と不倫妻が最後はよりを取り戻し、夫殺しの証人証言で恐喝されていた危機も解決でき、めでたし・めでたしと終わりそうが、大逆転という展開は、言わば定石を踏んでいるとは言え、お見事。

病弱な夫とその母との生活に不満たらたらの若妻テレーズ役のシモーヌ・シニョレの滲み出る色気が出色。息子の死でショックのあまり声を出せなくなった義母役の嫁を糾弾する目付きの鋭さも凄い。恐喝しながら死の間際で殺人証言の手紙送付を気にする復員兵若者のキャラクター設定もなかなかユニーク。

昔NHKで見て凄く感動した天井桟敷の人々を監督したマルセル・カルネの作品だけはある。
芸術性は高くないかもしれないが、活劇として大変に面白かった。
Saaofgmnhu
Saaofgmnhu
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総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 60
音楽: 60

当初は眠っていて何も見ていないと証言しておきながら、後になって急に実は見ていたといったところでどれほどの信用度があるだろうか。ましてや目撃者死亡のままの証拠もない手紙の告白に事件を覆すほどの価値があるとは思えない。そんな疑問もあったし、だから犯罪物としてみればこの作品は弱い。
しかし両親を亡くしたテレーズが自己犠牲を強いられていたのもわかるし、彼女の甘やかされた夫と甘やかす母親の関係に、テレーズとトラック運転手がうんざりしていたのもわかる。また夫が死んで警察にも疑われ義母の目に怯え死体を見たテレーズが動揺するのもよくわかる。酒場で殴られてもひるむことなく正面を見据える元軍人の強請屋の態度からは、危険な橋を渡ってでも目的を絶対に遂行するのだという意思の固さが見て取れる。彼は彼なりに自分の悲惨な状況を変えようと、命をはった賭けに出ていた。そのような人間関係の描き方と演技に見るべきものがあった。
uslhjd
uslhjd
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「寝るのが一番。タダだしな・・・」と言いながら昼間から寝るほど病弱な夫。酒にもとてつもなく弱い。木曜日には仲間を集めて競馬のボードゲーム。これがなかなか面白そうだ。

看病だけの退屈な生活に疲れていたテレーズ。天涯孤独なトラック運転手ロラン。半ば投げやりで気だるい雰囲気だったが、楽しいロマンスを追い求め旅立つ。そしてカミーユ宅での逢引・・・

夫も母も不倫に気付くが、夫婦でパリへの旅行途中、追いかけてきたロランが口論となりカミーユを列車から突き落とした。彼は自首すると言うが、テレーズは黙っていろと言う。事故として処理されるが、やがて罪の意識に苛まれるテレーズ。やがてゆすり屋が現れ50万フランを要求され、2人は再び結びついた。

金を渡し証文も書かせ、恐喝も解決したかと思われたがゆすり屋はあっけなく事故死・・・普通なら死人にくちなしなのに、彼は戻らなければ手紙を出してくれと頼んでいたのだ・・・運命とはこういうもの。不倫なんて所詮上手くいかないものだな。それにしてもトラックにはねられるシーンは生々しかった。
Ohxmspksngi
Ohxmspksngi
シモーヌ・シニョレ31歳
まだまだ若いのにもう少し年上に見える、生活に疲れた風情を大人の女性の色香との微妙なバランスで魅せます
圧倒的な存在感が画面に目を釘付けにします

相手役のラフ・ヴァローネは36歳
男の性的魅力をテレーズの夫カミーユとの対比で強調されています
本作前年の米国映画の欲望というなの電車のマーロン・ブランドを思わせる造形です

二人が出会ったときの化学反応が、ほんの僅かな目の表情だけで、火花が飛び散るようなものであったことを雄弁に語る名演技でした

男と女が出会う
何も起こらないことが普通なのに、何故かこのような激烈な化学反応を起こして本物の恋愛が始まる不思議

運命?
そうかも知れないし、そうでないかも知れない
運命を変える男を無意識に待っているテレーズに運命を変える力を持つ男が現れる
それだけでは化学反応は起こらないはず
何がそうさせたのでしょうか?

それはテレーズの美しさ、はかなさかも知れません
それがローランの理性を狂わしたのかも知れません

パリ行きの夜行列車は事件の起こる列車で彼女とローランは途中下車しましたが、二人の運命を最終的に行き着く処まで運んでしまう列車であったのです

郵便回収のエピローグに続くリヨンの空の下に鳴るサイレンが正にエンドマークでfinの文字に重なります
見事な鮮やかな終わり方でした

フランス映画の真髄に触れた実感を得ました
傑作中の傑作だと思います
Torncrihetc
Torncrihetc
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世界映画史上に燦然と輝く『天井桟敷の人々』を監督したマルセル・カルネ監督の1952年作品、ということで鑑賞した。フランスのリヨンを舞台に病弱の夫を持った妻とその恋人との三角関係のもつれが殺人事件につながって、意外な結末を迎えて終わる。やはりこのころの現代映画は第二次世界大戦の影響が深く影を落とし、戦時中に日本兵から痛い目にあったという怪しい人間も事件に絡んでくる。 出てくる俳優も演技巧者で映画にとけ込んでいた。 結末の行方がはたしてどうなるのか、最後まで気になって、引っ張られた。安定感のある大人の映画だ。

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