「巴里-伯林」のジュリアン・デュヴィヴィエがジュール・ルナールの有名な小説並びに戯曲に基いて作った映画で、脚色もデュヴィヴィエ自身の手になるものである。主役の「にんじん」に扮するのは無名から抜擢された少年俳優のロベール・リナンで、これを助けてルピック氏にはフランス劇壇で名高いアリ・ボールが、ルピック夫人には舞台でこの役を屡々演じているカトリーヌ・フォントネーが、それぞれ扮して出演している外、なお、オペレット畑のクリスチアーヌ・ドールや、ルイ・ゴーチエ、子役のコレット・セガル、マキシム・フロミオ、等も顔を見せている。撮影はアルマン・ティラールとモニオとの二氏の担当。それからアレクサンドル・タンスマンが特にこの映画の為めに作曲を受持っている事を附記する。
にんじん評論(1)
で、中学生の頃に読んだ記憶があります。
かわいそうなにんじんなのに、なんかひねくれているとこもあり、淡々とした文章。お手伝いのいっかんで鶏の首をはねて毛をむしるシーンに残酷さを感じた思い出。インクがボタボタする万年筆で描かれたのかなというような可愛いけどサッパリしている挿絵。
まさかその本の映画が観られるとは思いませんでした!!
主役の男の子がすごく演技が上手くて1930年代の映画なのに仰々しさがなく自然で感情移入してしまい、最後まで目が離せませんでした。お手伝いさんと小さなマチルダがいてくれてよかった。最後のお父さんと2人で歩いてる景色がとても印象に残りました。そうか、にんじんは死んだんだ!!