アメリカ・ニューヨーク州の郊外を舞台に、ひとりの土木作業員が様々な出来事を通して、失いかけていた人間の絆を取り戻していくヒューマン・ドラマ。リチャード・ルッソの同名小説(邦訳・ベネッセコーポレーション刊)を「クレイマー、クレイマー」「ビリー・バスゲイト」のロバート・ベントンが脚色・監督した作品。製作は「星に想いを」のスコット・ルーディンと「ビリー・バスゲイト」のアーレン・ドノヴァン、エグゼクティヴ・プロデューサーは「ノー・マーシイ
非情の愛」のマイケル・ハウスマン、撮影は「ザ・シークレット・サービス」のジョン・ベイリー、音楽は「ミセス・ダウト」のハワード・ショア、美術は「ボビー・フィッシャーを探して」のデイヴィッド・グロープマン、衣装は「ビリー・バスゲイト」のジョセフ・G・アウリシ、編集は「ダメージ」のジョン・ブルームがそれぞれ担当。主演は「未来は今」の名優ポール・ニューマン。助演として「パルプ・フィクション」のブルース・ウィリス、「ミルク・マネー」のメラニー・グリフィス、「カミーラ
あなたといた夏」のジェシカ・タンディ(94年9月11日死去)、「ルトガー・ハウアー
処刑脱獄」のディラン・ウォルシュなど、個性的なキャストが顔をそろえている。
ノーバディーズ・フール評論(2)
多くの人々に「ダメ人間」の烙印を押されてても、誰かにとっては大切な存在であることを気づかされます。
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 65
小さな田舎町に住み続ける初老の貧乏人を主人公にして、彼の人生と彼を取り巻く人間関係を描いていく。彼が不幸な家庭に生まれたのは彼のせいではないが、彼が不幸なのは、特に家庭が不幸なのは彼自身の責任によるものだろう。それでも彼がやってしまった過去のことはもう変えられない。だがちょっとした出来事でささやかな幸せを得ることが出来て、人との繋がりや暖かさを確認出来て満足出来たのかな。たとえ日常生活に大きな変化がなくても、人との繋がりがあるのと無いのとでは大きな違いで、そんな小さな世界の小さな物語だった。
良かったところは出演者の演技。ポール・ニューマンをはじめとして、出演者の多くが味のある演技をしていた。反面、あまり好きになれなかったのは物語。結局偶然に息子に出会ったことや偶然に孫がトラックに乗っていたことや息子が家庭に問題を抱えた上に失業したことが今回の変化をもたらしているわけで、受け身すぎて彼自身の努力によるものという気がしない。演技ではなくて主人公の能力や性格にそれほど魅力を感じなかったし、それだからだろうか、描かれている内容も小さくてそれほどのめり込めなかった。