第二次大戦後、極東ロシアの収容所地帯を舞台に、無垢な少年の生きざまを鮮烈に綴って世界的に絶賛された「動くな、死ね、甦れ!」の続編。監督・脚本はヴィターリー・カネフスキー、製作はカネフスキーとパトリック・ゴドー。撮影は「動くな、死ね、甦れ!」も担当したウラジミール・ボリリャコフで、前作のモノクロームから一転した今回のカラー撮影でも、色彩を極力押さえたモノトーン風の画像を目指した。音楽はボリス・リチコフ。出演は前作に続き、パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワほか。92年カンヌ映画祭審査員賞受賞。
ひとりで生きる評論(2)
前作同様、暗く冷たい風景や映像美が印象深い作品。カラーになってより冷たさや美しさを感じやすくなった。
内容は前作に続き生きていくことの厳しさが描かれている。生きている豚を殺すシーンや、盗んだ犬を食用にする為に捌く描写、疫病を持ったネズミに火をつけるシーンなど、残酷描写も多く用いて生きていくことの厳しさが描かれている。目を塞ぎたくなった。
そんな厳しく無情な世の中をもがきながらもなんとか進んでいく主人公ワレワカの姿が胸に突き刺さる。