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迷子の警察音楽隊評論(13)
会話は英語、アラブ語、ヘブライ語で行われるが、50%ぐらいはシンプルな英語を使っている。隊長を除いて。シンプルな英語が俳優の演技で賄われているのがいい。隊長の英語は教科書に出てくるような形式的な英語で、イスラエル人の話す英語と違いが。はっきりいって、芸術には国境がないし、アラブイスラエルの問題は市民レベルでは解決策が見出せるということだと思う。
Alexandria Ceremonial Police Orchestra がカイロからイスラエルに到着したが、迎えにくるべき人が迎えに来ていない。ペタクチュクヴァPetah Tikvaのアラブ文化センターに行く予定だが、アラブ語の発音がヘブライ語人に誤解を与えたらしく、なにもないイスラエル南部のネゲブ砂漠のBeit Hatikva (('House of Hope' in Hebrew)に降ろされてしまう。(これは架空の場所らしい)翌日までバスがなくそこで八人は一晩過ごすわけだが。。
カイロからの音楽隊の宿泊を引き受けたユダヤ人の男性の家族の家の写真にシモン・ペレスの肖像画あったから、時代背景はオスロ合意以降で多分2000年前後の話を舞台にしていると思うが定かではない。隊員の一人が帽子で、イスラエルの戦闘タンクの写真を隠すところがいい。ここで、子供をあやすオルゴールの音を聞きながら、隊員の一人は作曲が中途半端だったコンチエルトのアイデアがうかびそれを仕上げることができる。いいね。
この手のストーリーだと過剰にキャラクターを盛ったりもするものだが、自然な感情の揺らぎをユーモアを交えて描いている。
建前と本音が存在し、人間関係の奥ゆかしさみたいなものは、どこか日本的なものを感じる。あくまで日本人の視点として。
泣く女に対した恋愛指南のシーンなんてあたたかくかつ面白い。最後の演奏シーンを大袈裟にしなかった点も良い。
しかし町がちょっと淋しすぎるかな。もう少しざわめきがあってもいい。
1979年にようやく友好条約が結ばれたというエジプトとイスラエル。今でも宗教の対立はパレスチナ問題を見ればわかるとおり。彼らは本来なら相容れない存在なのだ。アラビア語とヘブライ語。そして彼らの間には英語という意思の疎通のための言語がある。字幕もわかりやすく、カッコで示されていた。
団長とディナの間にほのかな恋愛感情が生まれたのは言うまでもない。ただ、団長は3年前に亡くなった妻のことが忘れられないでいるのだ。なんとか一晩の相手にと、誘いをかけるディナ・・・彼女もすでに40を超えていそうだ・・・だったが、明日のコンサートに向けて早く眠りたい。そして、このまま恋してしまったら面倒だ・・・などと思っていたのかもしれない。しかし、残酷なことに、楽団で最も若く、才能があり、ナンパなカーレド(バクリ)がディナとセックスしてしまうのだ・・・だが団長は見て見ぬふり。彼女を満足させられないという気おくれもあった。
警察音楽隊だというから、軍隊調の曲を演奏するのかと思えば、これがまたマッタリとしたアラブの伝統音楽。ほのぼのさせてくれる音楽だった。副団長のエピソードも気になり、コンチェルトを作曲できるのだろうか・・・
久しぶりにこんなスローペースな映画を観ました。
すごくスロー。
たった一晩の音楽隊の迷子の様子を描く。
ただそれだけ。
私はさえない男の子がさえない女の子を慰めるシーンが
好きです。
3人並んでたんたんと進むやりとりのなかに
すごく微笑ましい要素がたくさん盛り込まれてるというか。
ほんといい。
世の中に逆行してるような映画だけど、観る価値はあると思います。