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相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿評論(20)
正直言うと、『相棒 -劇場版-』よりも、こちらの方が、ストーリーがスッキリしていて、素直に楽しめるかもしれません。『相棒 -劇場版-』は、大人気作品初の映画化と言うことで、壮大なスケールで描こうとしてかなり力が入り、その力が空回りした感があるのですが、こちらは素直に刑事物、しかも通常は脇役の人物が主人公の作品として楽しむ事が出来ました。
「警察組織に潜む闇」みたいなキャッチフレーズがあるので、物凄い疑獄になるかと思いきや、そうでもありません。それでも潜んでいるテーマは、外郭団体への天下りとか、税金の無駄遣いとか、それなりに社会問題になっているテーマでもあるので、『相棒』シリーズに共通する、社会の問題をテーマにするという基本的考え方に沿った話になっています。それにしても、真犯人は意外でした。すっかり、脚本家の術中に嵌ってしまいました(苦笑)。
右京&亀山始め、『相棒』シリーズに出演している主要な登場人物の殆どが出ています。そんな中、この作品での登場人物である、無駄に熱い所轄署の刑事・相原誠を萩原聖人が演じています。それが縁で、相原が特命係に来るという話にしても良いのではないかと思いますが、そうではありませんでした。やっぱりそれだと出来すぎですかね? ちなみにエンドロールの最後に、しっかりと右京と、新相棒の神戸とのシーンがちらっとあります。
あ、そうそう。映画の中身とは関係ないのですが、高木沙耶って、益戸育江に改名していたんですね。エンドロールを見ていたとき、見慣れぬ名前がたまき役で出ていたのでビックリしましたよ。
小ネタとしては、『相棒』はテレビ朝日の作品な訳ですが、米沢守の家で取っている新聞は、ちゃんと朝日新聞なんですね。彼の家のシーンで、ASAのマークの入った紙袋(新聞整理用の袋と思われます)が、しっかりと映っていました。
推理小説ではないので、描き方が推理小説としての描き方にはなっていませんが、先にも記したように、真犯人が結構意外な人物なので、推理小説的な楽しみ方もできます。娯楽作品としては、良い作品だと思います。
一応、少しずつ断片的な情報が見つかって、その度にいろいろな仮説が生まれて最後にどんでん返し、みたいな構成はよかったと思いますが、たぶん、リアリティがちょっと足りなかったのかなあ。
萩原聖人演じる刑事が猪突猛進過ぎ。いくら個人的感情があるとはいえ、刑事を職業としている人がその行動はありえないでしょう!という場面が何度も。
そして、鑑識係が主人公なので、それなりに科学捜査技術は出てきますが、最後に犯人を特定したのが鑑識技術じゃなかったのがちょっと残念。
まあともかく、六角精児さんが主役の作品。不思議な感じでした。
本作は特に鑑識係米沢守のスピンオフ作品であるだけに、彼を知っている場合と、知らない場合では、俄然楽しめる度合いが変わってしまうのは仕方ありません。
ただストーリーとしては、昨年公開の相棒劇場版を引き継いで始まっているものの、それは冒頭だけなので、劇場版のおさらいは必要ありません。テレビシリーズを見ていなくても本作だけで充分分かる内容になっています。
最後のどんでん返しが強烈で、本家相棒劇場版よりも面白いと思いました。
さて、スピンオフ作品のお約束として、メインの主人公は登場させないのが通例ですが、本作では杉下、亀山の相棒コンビもたびたび登場します。
しかし、絶妙にメインのストーリーには絡ませません。米沢が捜査に行き詰まり杉下に電話しようとすると決まって携帯が鳴ったり、邪魔が入ったりで杉下が捜査に関わることは回避していました。
さんざん杉下に頼ろうとしたあげく、米沢がこれは自分のヤマだと覚悟を決めて、独自捜査に当たるとき、杉下抜きで大丈夫かなと心配しました。けれどもなかなかの名推理です。携帯の待ち受けに落語の出囃子を使っているほどの落語マニアな米沢は、落語のネタから犯人に犯行を語らせる妙手を思いつき、見事に意外な人物から犯人でないと知り得ない事実を語らせたのです。
推理において杉下がひらめきタイプなら、米沢は鑑識だけに物証からコツコツ論理を組み立てていくタイプです。時々テレビシリーズで杉下の推理が理解できない時がありますが、米沢の推理は分かりやすかったです。
ところで、米沢の相棒役となるのが相原。二人を繋ぐ縁とは、元カミさんの知子が同一人物であったと思っていたら、これが瓜二つの同名の別人なんですね。ちょっとそれはないだろう、出来すぎですよ。それで人ごと思えなくなった米沢も事件に巻き込まれていくのです。 知子が自殺したことにされて、納得いかない相沢は、刑事の冷静さを失い個人感情丸出し。刑事としてはあまりにバカすぎる猪突猛進ぶりで、見ている方が萎えてしまうほど。
何しろ疑った相手は、警視庁の天下り先の団体青少年防犯協会(青防協)。その青防協のトップによるセクハラが原因で知子は自殺に追い込まれたのではないかと疑い、直接乗り込んで本人に詰め寄ったから、二人は早速警視庁の上層部から睨まれる事態に。
青防協のトップは元警視庁幹部であり、貴重な天下り先をスキャンダルでつぶすわけにはいかないというのが、上層部の意志だったのです。
団体のオフィスに深夜忍び込んで証拠を掴もうとまでする二人活躍により、天下り先の外郭団体が、いかに国民の血税を浪費しているかが浮かび上がる内容でした。
上層部のたびたびの警告を無視して捜査を進めていった結果、米沢は監察から24時間の自宅謹慎の処分を受けてしまいます。このとき監察の張り込みをごまかして、見事に自宅から脱出する件が痛快でした。米沢のアイディアは凄いです。
そしてラスト。二人に情報提供してきた知子の同僚の高橋早苗がキーマンに。彼女を演じる片桐はいりが演じる突如切れる演技が凄いです。彼女はどう見ても女ウンナン南原にしか見えませんでしたね(^^ゞ
本作では、米沢が主人公だけに、テレビシリーズは伺えなかった彼のプライベートも明らかに。エンディングでは、知子との幸せだった結婚生活のシーンが描かれていました。 それだけに、一人で暗い自宅に戻って、冷蔵庫に保存したあった冷たいピザを食べるときの空しさや知子が戻ってきたらと妄想に耽るときの気持ちが痛いほど良く伝わってきました。
ある日家に帰ったら、奥さんが家出してしまったという経験の持ち主なら、この米沢の空しさは、身につつまされることでしょう。(小地蔵も体験有り)
あと知子とのなれそめも米沢がストリートミュージシャンであったことがきっかけとなったことが明かされます。実は、演じている六角精児本人もシンガー・ソングライターだそうで、劇中歌っている曲は自分の持ち歌だそうです。
相棒のスピンオフ映画第1作。キャラ性を変容させない工夫は見事だが、行き当たりばったりのミステリになっている感は否めず。良くも悪くもファン向け作品な印象でした。