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書道ガールズ!! わたしたちの甲子園評論(20)
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書道という題材は目新しいが、お話の大枠はベタなアイドル青春映画と言っていい。
産休教師の代理で来た顧問とか、家庭の事情で部活がおろそかになった幽霊部員とか、厳格な父親との確執とか、ほんともう、どっかで見たことあるようなエピソードで先が読める。
それに、王道とはいえ紋切り型すぎて甚だ魅力に乏しい里子の父親とか、取って付けたようでまるで活きていない里子の幼なじみとか、欠点も少なくなく、減点法で評価すると平凡な青春映画になってしまう。
でも、好きなのよ。大好き。ベタを許せる青春映画好きなら絶対観て損はしない。
瑞々しい若手女優たちの好演(顧問役の金子ノブアキもイイ)に微笑まされ、ほとんどの店が閉店したシャッター商店街に寂しさを覚え、瀬戸内海を臨む田舎の風景に癒される。
そしてそれにも増して、クライマックスの書道パフォーマンスの圧倒的な力強さに拍手喝采。
ベタな動物ものだった『マリと子犬の物語』も好きな筆者は、猪股監督の堅実な演出と馬が合うらしい。
細かいアラなんかなんのその、丁寧に切り取られた日常描写が染みてくる。そしてここぞというところは徹底的に盛り上がる。
書道パフォーマンスでのダイナミックな演出を見せつけられると、これを地味な題材だなんてとても言えない。お見事。
アラが目に付くとはいえ、書道がきっちり、一応町おこしも機能した脚本も誉めたい。ありがちな青春映画だからこそ、押さえるべきツボは外さない。
この映画は単なる書道ではなく“書道パフォーマンス”の映画だった。それを知らしめるクライマックス。「そうきたか!」と気づいたときには、まんまとしてやられてました。
決して突拍子もないどんでん返しじゃない。そんな展開だってありがち。なのに号泣ですよ。
今回借りてよかった。3回見ました。
楽しかったです。
これ実話なんですね。こういう話を掘り起こしてくれる邦画にも感謝です。
書道パフォーマンスのシーンは見ごたえがあり、興奮しました。
書道をパフォーマンスにする斬新なアイディアは驚きました。
なくなっていく寂しさと、なくさないようにしようと奮闘する高校生の行動力はかっこよかったです。
力を合わせて書道をする難しさも理解出来ましたし、高校生それぞれに悩みを抱えていて、前を向いて頑張っていく姿は好感が持てました。
男子高校生3人組がおもしろかったです。
笑える部分がたくさんあって、全体的に楽しく爽やかな青春映画だと思いました。
映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」(猪股隆一監督)から。
毎年愛媛県四国中央市の「四国中央紙まつり」に行われている
学生の書道大会をもとに製作されたようだ。
「書道ってのは、己とトコトン付き合うところから始まるんやから」
「書道というもんは、己と静かに向き合うものなんよ」
そんな四国の訛が耳について離れなかった。
「音楽聴いて、暴れながら書くなんてあり得ん」
そんな常識を打ち破り、全国的なイベントへと広がっていく。
映画的には、物足りなさを感じるが、鑑賞後、ネットで調べたら
YouTubeでも、大会の様子がアップされていて、
その面白さは、しばらく観続けてしまったほどである。
大会は既に5回を数え、平成23年度は
東北大震災で被災された高校生を本大会観戦にご招待。
平成24年度は、被災地支援枠設置をし、
宮城県・岩手県から3校出場したという情報を知った時、
若い人たちの企画する、こういうイベント支援もいいな、と思った。
書道家の父親が断固抗議に学校を訪れた時、書道部顧問の先生が
書道部の部室に案内し「再生」と書かれた大きな文字を見せてこう言った。
「いい書でしょ。書き手の楽しさが伝わってくる。
書きたいって気持ちが伝わってくる。僕が忘れてた気持ちです」
常識の枠から抜け出せない大人たちがうらやむ、そのパワーこそが、
この作品の魅力と言えそうだ。
基本の筆遣いとか、文字のバランスとか、そんなことが問題ではなく、
「書きたいって気持ち」が、どう表現されているか、
実話として、東北から出場した高校生たちの叫びがとても気になる。
あとで、ネットで確認してみようっと。