歌え!ジャニス・ジョプリンのように
プロット
フランス・スペイン合作
08月07日 2004 台灣上映
ジャニス
プロット
アメリカ
03月19日 1990 台灣上映
ジャニスのOL日記
プロット
イギリス
06月30日 2001 台灣上映
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ジャニス・ジョプリン評論(4)
他のシンガーも上手いよねぇ!
歌う曲名は出なかったけど、訳詞が出たんで、ジャニス役の説明と相まって、心情が慮れてよかった!
一番の感想は、「知識がなくて、ついていけない」だった。
“黒人女性歌手の歴史”どころか、ジャニス・ジョプリンすら、名前しか知らなかった自分にとっては、難しかった。
この映画に合わせて、慌てて少し予習したが、歯が立たなかった。
“ジャニス”役のデイビスの他に、4人のボーカルが出演する。
彼女たちはバックコーラスだけでなく、ザ・シャンテルズというユニットや、A.フランクリン、E.ジェイムス、オデッタ、N.シモン、B.スミスという5人の黒人女性歌手の“レジェンド”に扮して、“ジャニス”と時空を超えた“夢の共演”をするという設定である。
そして、“ジャニス”は歌の合閒に、“レジェンド”たちへのリスペクトや想いを、延々と語り続けるのだ。
確かに、例えば1曲目の「テル・ママ」はE.ジェイムス、2曲目の「Maybe」はザ・シャンテルズの持ち歌らしく、関係は深い。
しかし、“レジェンド”たちについて、何も知らない自分は、何を語られても、さっぱり分からないのである。
また、A.フランクリンと共演させたいからといって、A.フランクリンの歌を持ち出すというのは、無理矢理すぎる。
“ジャニス”を見に来たのに、ジャニス色がかなり薄い作品になってしまい、ガッカリであった。
また、“ないものねだり”をしても仕方ないが、“ジャニス”役のデイビスは、やはりジャニス・ジョプリンではない。
残念なのは、声が強すぎることだ。
ジャニス・ジョプリンは声量は大きかったらしいが、ふくよかなハスキー・ボイスで、“シャウト”するととても良い味わいが出る。そこが、ジャニスを不滅のシンガーにした、一つの魅力だと想う。
一方、デイビスが“シャウト”すると、単調でうるさいのだ。
演奏は、ドラム、キーボード、ギター・ベース3人、管楽器3人の構成に見えた。
ブルース、ソウル、ロック、カントリーと、極めて短い音楽人生で、いろんなジャンルの歌を残しているジャニスだが、この編成ですべて対応できていた。
ただ、残念なのは、演奏がきれいで洗練されすぎていることだ。60年代を思わせる、ノリが良くて、暑苦しくて、危うい感じの演奏ではない。
演奏だけ見れば、「ブロードウェイ」の世界であって、全然ジャニス・ジョプリンっぽくない。
というわけで、いろんな意味で、期待を大幅に下回った作品だった。
しかし、不世出の歌手のコンサートを実現しようというのが、そもそも無理な話だ。“ないものねだり”をしても仕方ない。
自分としては、この映画を機会に、ジャニスや“黒人女性歌手の歴史”に触れることができたので、その点だけは良かった。