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親愛なる君へ評論(17)
ラストの歌よかったです。
本作の舞台は同性婚が認められる前だそうなので、この時の台湾の同性愛者に対する意識ってどうなんでしょうね?まだ混沌としている時代なのかな?中国は同性愛は病気って認識を持つ親が多いし、国としても存在すら認めていないから(ドキュメンタリー映画で描いてました)台湾も偏見は強かったのかなぁ?その辺りを踏まえるとジェンニーの世間に相対する強さは「愛情」の具現化だと思います。
ただ、その愛情は誰に向かっているのか?というのが物語が進んでいくほどにわからなくなってくるんですね。深読みしすぎているのか、僕がひねくれているからなのか?この演出の仕方だと「贖罪」としての行動として見えてしまったのです。愛するが故の嫉妬発言が悲しい事故の原因と考え、ヨンユーから母を奪った罪滅ぼしとして、母がわり父がわりをしていたようにしか見えなくなってしまったのです。ヨンユーや義母への愛じゃないんじゃない?贖罪きっかけなんじゃ?って。
ですから親愛なる君の「君」はヨンユーではなく、亡きパートナーなのでは?と。そうするとヨンユーとのエピソードがどんどんと薄っぺらに感じていってしまうんですよね。さらに結末としてもかなりあっさりですし、警察への自供に関してもやっぱり「贖罪」としか見えないんですよね。
勝手な思い込みですが、この映画はジェンニーとヨンユーの間の愛情であり、時代に抗ってそれを全うしようとする物語なんじゃぁないかなぁ?と思うのですが、そうは見えなかったのです。その要因はやっぱり、演出の仕方ですし、話の持って生き方を失敗している気がします。肝心な二人のエピソードも弱いですしね。
あくまで、僕個人の感想ですが、ちょいと期待はずれだったなー。
スタートから彼は警察に逮捕されてしまうが、その理由が後半徐々に明かされていく。
善人である彼が何故
真実は。
なんとも切ない映画でした。
愛する人と、お子さんが居る方には是非観て欲しい。
留置場のシーンから始まり、不穏な空気が醸し出される。うまく謎解きのような要素もからめながら、緻密で練りに練られた脚本によって作られた完璧な映画だ。
散りばめられた謎。そして嘘。はびこる偏見と差別。消化不良な箇所もありますが、最後まで丁寧に描いている印象でした。
結局これはジエンイーの贖罪の物語。シウユーに対して。ヨウユーに対して。そしてパートナーであったリーウェイに対して。その妻に対して。深い罪悪感で溺れそうになりながら尽くし続ける。体の抑圧は解放できても心はそうはいかない。こんなに自分自身を許せない人生が続くのか。こんな状態ではきっとヨウユーの本物のパパ2号にはなれない。
ジエンイーとヨウユーによる告白によってひとつの家族に終わりが訪れる。きっと無理矢理引き離された訳ではない。こうすることが最善だろうと私も思った。この方がいい関係性が築けるような気がする。