「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔が4年ぶりにオリジナル脚本でメガホンをとり、見た目も性格も正反対な兄弟と姉妹を主人公に描いた人間ドラマ。印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ……。和成役を「東京喰種
トーキョーグール」の窪田正孝、卓司役を「百円の恋」の新井浩文、由利亜役をお笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子、真子役を「闇金ウシジマくん Part3」の筧美和子がそれぞれ演じる。
犬猿評論(20)
不思議な感覚。
新井浩文さんが事件を起こす前に見れば、さすがの迫力と賛辞されるが、あの後に見ると「そのまんまやん!」とツッコまずにはいられなくなる。
それはさておき。
ストーリーとしては、怪我の無い程度にまとめたか。
これだけ沸沸と不満をチャージしたなら、鑑賞者にえっ!?となる展開を用意してもよかったんじゃないかと、物足りなさを残してエンド。
筧美和子の安定の下手さと裏腹にニッチェはスーパーファインプレー。
彼女の名演無けりゃ⭐️1.5が限界でした。
これほどまでに兄弟のぶつかりを掘り下げた作品があっただろうか。兄弟だから本気でぶつかる。本気で嫌いになる。他人には決して向けない剥き出しの感情。いい脚本、いい演者で見応えのある作品。
とても監督のセンスを感じる。
さんかくでもみせた吉田監督の人間の根底の嫉妬、欲望、羨望を浮かび上がらす演出。このカルテットでも余す事なく出してきます。多分吉田監督作品はエンドレスで観ちゃうだろうな〜。
つらくなったりもしたけど、兄弟のやり合うシーンはすごい見応えあった。
邂逅して仲良くなって終わりじゃなくて、やっぱり好きも嫌いもなくなる訳じゃない、でもきょうだいがいて良かったんだって思わせてくれる作品。
身近そうで、身近じゃない。
そんな風に感じました。