スリープレス・ビューティー 戦慄の美女監禁実験劇情
謎の実験に強制参加させられた女性の運命を描いたロシア製サイコスリラー。謎の組織に拉致された若い女性ミラは、絶対に眠ってはいけないというルールの実験に強制的に参加させられる。身体的虐待や次々と命じられる奇妙なミッション、さらにVRゴーグルで暴力的なイメージを見せられ、彼女の精神は崩壊寸前に陥っていく。監督は、EDMのミュージシャンとしても活躍するパウル・ファリーフ。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2021」（2021年10月29日～11月11日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか）上映作品。
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スリープレス・ビューティー 戦慄の美女監禁実験評論(2)
何かストーリー性をもたせるとか考えて欲しかった。
山無し意味なし落ち無し理由無しな
見せたいアトラクションにようこそ！！な内容でした。
ちょっと需要が無いと思われる。
スプラッターやゴア・フィルムの中で、ゴアとして暴力のグラフィック描写に意図的に焦点を当てたホラー映画のサブジャンル "torture porn" ．．． 本作『スリープレス・ビューティー・・・』は "torture porn" の中でも見る側にとっては、厄介な持久力テストにも似ていて、その明白で容赦ない心理的暴力が極限が見えてこないことをよそに、その残虐性を実行する目指し帽を被り、正体が一切明かされない大男の拷問者によって、行われる行為が、しばしば暴力自体が目標であるように思われる。
逃げ道のないロックされた部屋では、何も疑いを持たない純粋な心の持ち主の教師ミラは、"レクリエーション"と呼ばれる謎の組織に自宅で拉致され、概ね10日間にわたって、彼女の肉体的および精神的な正気である構造は、徐々に悪化し崩壊し始める。
その実験の進行をTwitchのようなチャット・メンバーによって彼女の動きを細部まで観察され、彼らから注目される存在となっている。
肉体のない存在感のない無機質な声が、ことあるごとにミラに「目を覚ましていなければならない」と警告する。さもないと彼女はさらに罰せられ、睡眠の代わりに、"エンターティメント"と称するホワイトカラーの "Oculus" に似た "バーチャルリアリティイマージョン" 用VRヘッドセットを両手両足を椅子にくくり付けられ、身動きができない状態で装着させられ、その画面に展開する映し出された画像は、激しく繰り返し眼球に焼き付けられ、さらに登場する動くものは、擬人化に耐えれない非人間的な生き物であって、彼女は、この映画のハイライトでもある、その暗黒界のシュールレアリスムをふんだんにあしらった『モンティパイソン』の風刺アニメにさらに汚物のようにわいせつ化したアニメーションビデオを見ることを強制され続ける。
いわゆる "torture porn" の元祖的存在の『ソウ』フランチャイズと比較される本作．．． であるけども『ソウ』との違いは、『ソウ』がエンタテイメント性を優先するあまり、細かな時系列を無視して、いきなり被害者に「ゲーム」と称する様々な生死を賭けた殺人儀式や制裁を課していき、成功するかどうかを見届け、その目的から「更生のためのテスト」とも称し、対象者を「被験者」とも呼ぶシーケンスの短絡さが挙がられるけれども拉致から始まり、被害者の女性の精神的変化を時間をかけてこの映画『スリープレス・ビューティー・・・』は描いているので、理解を許さなければ、つまらない映画に映ってしまうのは当然のことと言える。
付け加えるなら、マインドコントロールの純粋な過程を検証できる映画として『ソウ』とは一線を画している。
1991年にアメリカで放送されたSci-Fi冒険ドラマ『新スタートレック』の"Night Terrors"と題する回でも"夜驚症" を扱っていて、少し過激な症状の面を除けば、面白い内容だったと漠然と覚えている。
We decided to create this story when learned about one medical case,
which occurred in October 2012, when a patient saw completely
different face features of the doctor due to irritation of some
temporal lobe zones.
But in this story, t he surgical operation itself is not so important as
its background. For the physical intervention the personality shall be
fully devastated and consciousness should be able to accept a new
image instead of the former one. Only then the substitution process
will be completed successfully. Dramatics of this situation lies in the
fact that the selected sacrifice dies by the most loved one’s hand. This
is a superweapon of our age.
パベル・ハブリーブ監督の製作理由より
『ソウ』のような過剰なエンタテイメント性を追求したような映画を好むような方は、この映画を遠慮された方が無難で、あえて見るなんて馬鹿げているかもしれない。そして、それでも見たいなら、なぜこの映画が『・・・戦慄の美女監禁実験』と日本の配給会社が題名につけているのかが、ラストではっきりと意味が掴めるものとなっている。