ロンドンの高級レストランを舞台に、オーナーシェフのスリリングなある一夜を、全編90分ワンショットで捉えた人間ドラマ。一年で最もにぎわうクリスマス前の金曜日。ロンドンにある人気高級レストランのオーナーシェフのアンディは、妻子との別居や衛生管理検査で評価を下げられるなど、さまざまなトラブルに見舞われて疲れ切っていた。そんな中、アンディは気を取り直して店をオープンさせるが、あまりの予約の多さにスタッフたちは一触即発状態となっていた。そんな中、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れて突然来店し、脅迫まがいの取引を持ちかけてくるが……。主人公アンディ役を「ヴェノム
レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「アイリッシュマン」のスティーブン・グレアムが演じる。監督は新鋭フィリップ・バランティーニ。
ボイリング・ポイント 沸騰評論(6)
なんと、3日間だけだったみたい。
とにかく始まってからエンドロールまでの、ハイテンションが持続する見事な演出とカメラに脱帽でした!こんな面白いこと、よく考えたなあと。
これは一回見ただけではこの映画の面白さを全て把握しきれないかもしれない、充分に面白かったけど、何度か見たらその度にもっと発見があるんじゃないかなぁと思ったので、映画館でも見たいです。
90分ワンショットに世界が絶賛、というコピーは、嘘じゃなかった。映画のメイキングが見てみたいです。
しかしなんであの俳優さんたち、あんなにリアルに料理人になりきれるんだろう!? とにかく今年のベスト3に入るくらい気に入りました!
ロンドンの高級レストランにおけるシェフの波乱だらけのクリスマス直前の金曜日(一番忙しい日)の一夜を描いた映画。
全編95分がワンシーンで撮られており、レストランの厨房・客席などを滑らかに映し回るカメラワークが見事。
ただ、波乱に満ちたドラマなので、いろいろな不満のぶつけ合い、黒人への人種差別などが多め。
料理は美味しそうなので「一度、いただいてみたい」と思うものの、楽しいエピソードが少ないので、さほど楽しい映画とは言えないかも…(^^;
また、「1本の映画をワンカットで撮ろう!」という試みは、アルフレッド・ヒッチコックの『ロープ』(1948年)として生まれたが、あの頃はフィルムの長さの関係でフィルム交換が必要だったので厳密にはワンカットで撮るのは物理的に出来なかった。それでも、物語は殺人をテーマにピカイチの面白さであった。
『ロープ』から74年も経って、全編ワンショット映画はデジタル撮影によって物理的に可能となったのだが、本作は「レストランでのドタバタ」を描いたものであり、ハラハラするではなく、面白みを感じるわけでもない作品に見えた。
ただでさえ多忙な一夜に、衛生検査、食材の仕入れや仕込みの不備、飲酒や薬物や自傷の問題を抱えぶつかり合うスタッフら、黒人ウェイトレスを見下す白人客、アレルギー持ちの客、レストランの出資者でもある著名シェフとグルメ評論家の突然の来店など、いくつもの小さな火種がくすぶり、店全体がまるで火にかけられた大鍋のように温度が上がっていき、ついには“沸点”に達するのか――と観客をあおっていく。撮影手法に加え、緊張感を持続させる脚本も工夫されているのだが、労働環境、依存症、人種差別、ジェンダーなどさまざまな社会問題を表面的に並べただけなのが物足りない。
また、せっかくレストランを舞台にした映画なのに、調理、盛り付け、実食のいずれでも観客の食欲をそそるおいしそうな美しいショットが不足している。カットを割れるなら、料理が最もおいしそうに見えるカメラと照明のセッティングをじっくり作り込めるはずだが、この点も長回しを優先したために妥協せざるをえなかった要素だろう。
俳優の動線とカメラワークはほぼ全編にわたりよく考慮されているように思うが、ある女性スタッフがトイレに行き、個室に入ったあとのドアを外から映し続ける数秒で、にわかに撮影者の存在を意識してしまった。長回しのカメラが追い続ける被写体の人物が視界からさえぎられるとき、観客の意識がカメラのこちら側の撮影者に向かうというのはある意味“発見”だった。
むかし南の島で働いていた時、シェフとは名ばかりの立場だったけどこの映画に出てくるキッチンよりかは多少広かったレストランで働いていた事を...
多分、その地を訪れた観光客は、一度は召し上がったと思えるほど港の近くのシーフード・レストランとしては、かなり有名であったことを思い出しながら、その中でも一番驚いたことが、シェフコートに着替えているときに更衣室で新人のシェフが脇腹近くに注射をしているところをたまたま見かけた... この映画のヘッド・シェフのアンディのようにまさかジャンキーってるのかと? 申し訳ないことに後から彼が1型糖尿病を患っていることを知ることに... これからシェフとしての道を歩む若き青年が何の因果か知れないけれどものお話。
インド人が嫌いになったのはその時かもしれない... 映画の中のエピソードで人種差別的外見だけで差別する客のシーンで思い出したことが、あたしがそのレストランのヘッド・シェフがインド人で合理的差別をあからさまにするところで、自分自身の技量というか料理に対する知識や技術が乏しいのが原因と言えるけど能力のある料理人にはあれほどニコリともしたこともない人間が笑顔で話しているのを見るとさすがに嫌味も自然と湧いてくる。ただそのレストランのいいところは日本のようにティップ制がない国では考えられないけれども給仕をする人のそのティップに関して、週替わりに席の受け持ち、つまり担当を変えティップの不公平さを失くしていた事をよい例としてこの映画を観たことで懐かしいいい思い出として受け止める余裕を今は感じてもいる。
レストランあるあるをこじ付けたような映画として...
レストランに流れるBGMと客と従業員の会話に食器やフライパンが何かにあたる音がフィルム・スコアになり、ある意味落ち着いた雰囲気のあるレストランなのにバックヤードのパティシエのキッチンで大声を出して怒鳴りあうし殴り合いの喧嘩をするのはどう考えても現実的ではなくドアもついていない事からその言い争いが直にレストランに響いてもよさそうなのに...
映画を面白くする意図は分かるにしてもクリスマス前の金曜日のレストランのオープン直前の仕込みの大切な時間に衛生管理局の人間が来るって、それって営業妨害だし無理やりのワンショットで作為的でもっとモキュメンタリーを追求したような映画作りをしても...
レストランで従業員同士がコミュニケーションをとる一番大切なまかないのシーンがないのは手落ちと言ってもよいのかもしれない。何故なら、まかないと言ってもランクの下の4thシェフからするとただ唯一のプロの料理人からのアドバイスをもらえる場となるために... そして現地人が食べたことのないお好み焼きなんて日本では庶民的なプレイトを出したことも... ただこのレストランではそんなつまらないシナリオはないらしい。
それとアラジーのある客が4thシェフがアラジーを引き起こす成分の材料を誤って提供する場面はやりすぎと言える。前もって予約の電話を入れるのが年末の忙しいレストランには欠かせない恒例行事の様になっているのにアラジーのある人が自分を守りたいなら、予約の電話を入れた時に話すのが当然で当日に言うなんてどうかしている。
それと一番おかしな点は、救急救命士が到着してエビペンを投与するシーンでまだ意識のある患者なのにいきなり打っているし、人それぞれ体重や既往症によってエビペンの投与量が違うのにもかかわらず、処置しているし、何と言ってもバイタルサインをとるのに脈拍を悠長に隊員が手で測っているのは一刻も早く病院の医師の診察を受けさせる大前提を完無視ってか?
映画自体がエピソード満載な流れるようなショット展開とヘッド・シェフのアンディを中心にしたアンサンブル・コメディにも見えたけれどもセカンド・シェフも含めて個性がなく、アンディの一人芝居のようにも見えてしまっている。
むかしの日本のCMではイギリスにあるのは澱んだ空気とフィッシュ・アンド・チップスだけだと言われていたけど... 安直な映画はあっても素晴らしい映画もないらしい。 イギリス人が嫌いな個人的理由から辛辣すぎて失礼しました。
余談として
パティシエのエミリーを演じたハンナ・ウォルターズとヘッドシェフのアンディ役のスティーブン・グレアムは実際に夫婦関係にあるそうな... どうでもいいけど
映画 #ボイリング・ポイント/沸騰 (2021年)鑑賞
ロンドンの人気レストランで起こる様々なできごととそれを乗り越えるスタッフたち
90分ワンショットで撮られたとは後で知って驚いた
よくできてるな
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました