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PIG ピッグ評論(3)
I remember every meal I ever cooked.
I remember every person I ever served. 字面だけでは理解の範疇を超えたケイジの進化系演技を本編では堪能できるセリフの象徴として
いくら演技の奥義を極めたからと言って、ここ数年のニコラス・ケイジという役者さんには裏切られ続けたもんだから、もうそろそろ愛想を尽かしても平気の平左ってか?
この映画を観る前に...?
映画の予算の少なさが分かるのが、訓練された豚ちゃんを雇えなかった為にニコラス・ケイジは本編にご登場の娘さんに何度も噛まれたと伝え聞く... そのあと彼は冗談を言ったとか?言わなかったとか?
そして2013年の映画『グランド・ジョー』で主人公のジョーのキャラが彼と似ていて役作りをする必要がなかったと言っていたのと同じように今回のロブの性格は彼に近いと本人は語っている。
I'd like my pig back. ニコラス・ケイジに必要なセリフこれだけでいいのかもしれない。2020年の映画『ウィリーズ・ワンダーランド』で彼のセリフらしいセリフの無かった代物よりましかな?
だから今回の映画に関しては、ケイジ演じるロブのバックグラウンドがあまり語られないところがあり、普通なら不親切と解釈しまうところを何故か理由は分からないが、そんなの必要を感じさせないのはロブのキャラなのかもしれない。それは作中、彼が愛するトリュフ・ハンターのブタを探すお供の青年アミールの父親のセリフから、つい想像してしまう。
Darius: Can I say... it's an honor meeting you? Half the restaurants
in Portland owe you a debt.
この一言ですべてが分かってしまう気持ちにさせるのは彼自身がもう一度振り返ってこの映画を観る可能性が低いと語っているところにある。それは製作者の一人、マイケル・サルノスキ監督がニコラス・ケイジが常にテイクを繰り返さない役割への打ち込み方と準備による彼の独特なメソッドから生み出される高いパフォーマンス能力に興奮し釘付けになるほどニコラス・ケイジ自身が本作に没入し、ありのままの自分をさらけ出しているところによるかもしれない。
「やるべき仕事がなければ、私は非常に自己破壊的になる」
”ヌーボー・シャーマニズム”という演技・テクニックを生み出したニコラス・ケイジ... 演技への彼のアプローチの仕方は、古代シャーマンを俳優として見るという考えに基づいているとされている。
彼は、心理学者ブライアン・ベイツの「アングロサクソンのシャーマニズム」に関する著書よりヒントを得て、「シャーマンは、村の中で物語を進めていくだけの役者であり、村の危機が何であれ、その答えをもたらそうとしていた。」という彼の考えから、
"You don't feel like you're acting, you feel like you're being." という演技に対する臨み方の初歩的なアプローチ方法の答えのようなものを導き出している。
汚物、無知、過剰、または醜さの象徴として、そしてヘブライやイスラムでは食べることも禁じている嫌われている可哀そうな豚ちゃんたち
Pigs eat calorie-dense foods, not only nuts and grains but also
less salubrious items such as carrion, human corpses and feces.
Pigs were unclean because they ate filth.
エンドロール・クレジットと共にセクシュアリティと採るのか? それとも心の傷を感じた主人公のどうにもならない気持ちと感じるのか? ブルース・スプリングスティーンの♪I'm on Fire をカバーしているカッサンドラ・バイオレットの澄んだ歌声を聞けば自ずと映画でのロブの心境をやさしく包んでいるようにも聞こえる。いい感じ💕
各章のタイトルが独特で、人間の欲望と食の描き方に不思議なおかしさがありました。
エンドロールで聞こえる声に、少しホッとできたのも良かったです。
森の中の一軒家で暮らすトリュフハンターが盗まれたトリュフブタを取り返す為に奔走する話。
ある夜突然襲撃されて愛豚を盗まれた主人公が、豚を捜して町にでるストーリー。
バカップルはお咎め無しで放置ですか?なんていう展開から町に出てみたら元有名人?ヤバイ人?
…と思ったら何だそりゃ?w
デレクとの件をみるにコメディですよね?
まさかのヒューマンドラマ?
パート3になって急に大人しくしっとりな空気感になり、それが山場って…シュール過ぎ。